社説

  • 印刷

 天皇陛下の退位に関する特例法案がきのう閣議決定され、国会に提出された。政府は、与野党の幅広い賛同を得て今国会で成立を目指す方針だ。現行憲法下では初めての退位となる。

 憲法は天皇の地位を「国民の総意に基づく」と定める。国民の多くは、83歳のご高齢で公務の継続に不安を抱かれる陛下の心情に理解を示している。

 ただ、退位を一代限りの特例とした法案は、恒久制度化を求める多くの国民の思いと一致しない。政府は丁寧に説明し、国会は皇室の将来像についても議論を深めねばならない。

 昨年夏、退位への思いがにじむビデオメッセージを陛下が公表された。それ以降、政府の有識者会議や国会が議論を重ね、政府が法案化を急いできた。

 法案によると、陛下は特例法の施行日に退位され、皇太子さまが新天皇に即位する。退位後の呼称は「上皇」とするなど、与野党合意に沿った内容だ。

 皇位継承は皇室典範で定めるとした憲法に違反しないよう、特例法は典範と「一体を成す」と明記する。被災地訪問などの活動継続が困難になる状況を陛下が深く案じておられることなども条文に書き込む。

 だが、世論調査では退位を全ての天皇に適用する恒久制度化への賛成が多数を占める。今回の法案は、退位に反対する自民党の保守派にも配慮して踏み込んだ論争を回避した。退位が今後の先例になることを国会で確認するなど、民意との距離を解消する努力をすべきだ。

 一方、皇族の減少が懸念される中、「女性宮家」創設などは今後の検討課題とされた。女性・女系天皇の可否も含め、皇位継承の安定化への対応を法案採決時の付帯決議にどこまで具体的に盛り込むかは、今後の与野党の協議に託された。

 折しも秋篠宮家の長女眞子(まこ)さま(25)が一般男性と婚約される。喜ばしい話だが、皇室典範では結婚すれば女性は皇籍を離れる。未婚の皇族の大半を女性が占め、このままでは若手の皇族は秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(10)だけになる可能性がある。

 退位が実現しても依然、将来への懸念は残る。政府、国会はいつまでも問題を先送りせず、今すぐ議論を再開すべきだ。

社説の最新
もっと見る

天気(8月18日)

  • 33℃
  • 26℃
  • 40%

  • 30℃
  • 24℃
  • 40%

  • 34℃
  • 25℃
  • 40%

  • 34℃
  • 24℃
  • 40%

兵庫県内に 警報 が発令されています

お知らせ