社説

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 「政界は、一寸先は闇」。この言葉を体現したかのような、めまぐるしい動きだった。

 野党第1党の民進党は、小池百合子東京都知事が代表の希望の党に合流しようとした。だが、小池氏の「排除」で、リベラル派が立憲民主党を設立した。この間、安倍晋三首相の解散表明から10日もたっていない。

 これによって衆院選は、「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主・共産・社民」の3極が中心となる対決の構図がほぼ固まった。生き残りを懸けたドタバタ劇の末ではあるが、理念や政策でまとまるのは、有権者が選択するには分かりやすい形になったと言える。

 民進の前原誠司代表は、小選挙区で与党と野党が「1対1」の構図をつくり出そうとした。「名を捨てて実を取る」として、希望への丸ごとの合流を画策したが、小池氏に憲法観や安全保障政策で“踏み絵”を迫られ、リベラル派は排除された。

 追い込まれたリベラル派を救うためもあって、枝野幸男民進党代表代行が新党の設立に動いた。支持組織の連合の了解を取り、立憲民主の結党を宣言した。菅直人元首相やリベラル系の前職などが参加するが、野田佳彦前首相や岡田克也元代表らは無所属での立候補を選んだ。

 結局、希望は日本維新の会と選挙区をすみ分けし、立憲民主は共産、社民との共闘を目指す。野党を結集した「反安倍」の受け皿づくりは不発となった。

 政権交代可能な二大政党を目指し、約20年前につくられた民主党の流れをくむ民進は瓦解(がかい)した。改憲に積極的な保守派と、慎重派や護憲派を含むリベラルに分裂した形だ。

 前原氏の責任は重いものがある。解散で時間がなかったとはいえ、政策のすりあわせや合意文書がない。公党の合流という重大事にもかかわらず、対応が甘かったのではないか。経緯を説明するべきだろう。

 一方、自民は憲法改正を含めた6本柱の政権公約を発表した。希望は綱領を明らかにしたが、政策は「消費税凍結」など一部を除いて未定だ。立憲民主は民進の政策を受け継ぐという。中身を一刻も早く固め、国民に示す必要がある。

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