社説

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 日本国憲法が公布されて、きょうで71年になる。平和と経済発展の道を歩んだ戦後日本のいしずえとして、憲法は大きな役割を果たしてきた。そのことに思いを致す日としたい。

 憲法改正を巡る動きが政治の焦点となっている。先の衆院選で「改憲」を唱える勢力が膨張し、衆参ともに改憲発議が可能な3分の2を超える状況だ。

 ただ、何をどう変えるのか、各党の思惑は一様ではない。安倍晋三首相がこだわりを見せる9条改正も、自民党内の意見はまとまらず、与党の公明党は慎重な姿勢を崩していない。

 改憲に関する国民の意識も割れている。ここは改正に前のめりにならず、憲法が掲げる「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」をどう深めるかを考えるべきではないか。

 参考にしたいのが、同じ敗戦国であるドイツの例である。

 ドイツの憲法には「永久条項」と呼ばれる条文がある。改憲を可能とする一方、「この部分を変えてはならない」というたがをしっかりはめている。

 国家が人権を保護する義務▽憲法による立法・行政・司法の拘束▽憲法を守る国民の抵抗権-。こうした「基本原則」に反する改憲はできない仕組みだ。

 「最も民主的」とされたワイマール憲法を制定しながら、ナチスの独裁を許した教訓を踏まえた措置といえる。戦後、ドイツは50回以上も憲法を見直したが、大半は日本の法律レベルに当たる内容にとどまる。

 日本の場合、憲法に関する各党の主張は拡散している。

 自民党は自衛隊の明記や参院合区解消など4項目を公約に掲げたが、公明党は「環境権」などを「加憲」の対象とする。希望の党や日本維新の会は教育無償化や地方分権などを打ち出し、立憲民主党は首相の解散権の制約を提起する。共産、社民党は護憲を堅持する構えだ。

 古希を過ぎた憲法を時代に合わせて見直す議論は有意義だろう。大半の憲法学者が「違憲」と指摘する安全保障法制の集団的自衛権行使容認など、曖昧にできない問題もある。

 日本はこれからどんな社会や国のかたちを目指すのか。将来にわたって守るべき理念について、しっかりと議論したい。

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