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 家にテレビを置けばNHKと受信契約を結び、受信料を支払わなければならないのか。

 最高裁の大法廷はきのう、受信契約を定める放送法を合憲とし、受信料支払いは「法的義務」との判断を初めて示した。

 理由として、「放送は表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を充足し、民主主義の発達に寄与する」と述べた。

 NHKは公共放送で、国営放送ではない。視聴者が支えることで成り立つ。最高裁の判断は、公共放送の果たす役割を評価したものといえる。

 裁判は、受信契約を拒み続けた東京都の男性に対し、NHKが受信料約20万円の支払いを求めて起こした。NHKは放送法の規定を盾に支払い義務を主張。一方、男性側は「法的拘束力のない努力規定。憲法にも違反する」と訴えた。一、二審は男性に支払いを命じており、最高裁の判断が注目された。

 収入の9割以上を占める受信料の支払いについて、NHKは従来、視聴者に任意でお願いする形を取っていた。それが放送法を盾にして強硬姿勢に転じたのは、支払い拒否が広がったためだ。

 2004年に制作費の不正支出などが相次ぎ、受信料の支払率は一時、70%を切った。不祥事への抗議が相当数、含まれていたことは間違いない。

 その後も、前会長の政治的中立性を欠く発言などで、視聴者から抗議の声がたびたび寄せられた。4年前に記者が過労死した問題では長い間、事実を公表せず、遺族の要求で今秋、ようやく明らかにした。

 支払率は現在、約80%にまで回復し、3年連続で過去最高を更新した。これは信頼回復に努めた結果なのか、法的措置の効果なのか。NHKは自らの胸に問い直すべきだろう。

 判決は視聴者が受信契約を承諾しない場合は、NHKが裁判を起こすことを認めた。とはいえ、まずは理解を得られるよう努めることが望ましいとする。

 民主主義を守るために、市民が公共放送を支える。NHKには権力の横やりに屈せず、一貫して市民の権利を守る側に立つ姿勢が求められる。「なるほど」と視聴者の納得を得られるよう努めるべきだ。

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