社説

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 またも談合の疑いで大手ゼネコンに強制捜査が入った。

 東京地検特捜部と公正取引委員会はきのう、いずれも東京都内の鹿島と清水建設の本社を家宅捜索した。大林組、大成建設の2社についても、近く都内の本社を捜索する方針だ。

 容疑は独禁法違反(不正な取引制限)で、舞台となったのはJR東海が発注したリニア中央新幹線の工事である。大手ゼネコン4社は入札前に話し合い、受注予定社や入札価格を決めた疑いが持たれている。

 公正な競争がゆがめられ、工事価格がつり上げられたのなら、運賃上昇などの形で利用者にしわ寄せが及びかねない。

 「夢の超特急」と呼ばれる総額9兆円の巨大事業の裏で、不正な取引が繰り広げられたのであれば、国民の期待をも裏切ったことになる。今後の捜査を注視したい。

 特捜部などは今月8日、偽計業務妨害容疑で大林組の本社を捜索し、ゼネコン4社の幹部らから事情を聴いていた。

 独禁法は公共工事はもちろん民間の工事でも、談合など公正な競争を妨げるような行為を禁じている。リニア整備には大阪延伸前倒しのため、総額3兆円の財政投融資が投じられており極めて公共性が高い。公正さが強く求められるのは当然だ。

 既に契約済みの22件の工事をみると、約7割の15件をゼネコン4社が受注している。件数はほぼ均等で不自然な印象がある。受注を分け合ったと見られても不思議はない。

 JR東海は「今後の契約に影響する」として、契約の経緯や発注額などを明らかにしていない。強制捜査を重く受け止め、情報を公開すべきである。

 大手ゼネコンは過去に何度も談合事件を摘発され、2005年には「談合決別」を宣言した。大林組は07年、公共工事を巡る事件が相次いだ責任を取って社長が辞任、全社を挙げて出直すことを誓ったはずだ。

 しかしその後も、北陸新幹線や東日本大震災の復興工事などで談合が摘発されるなど、業界の体質が改まる兆しは全く感じられない。

 談合は「必要悪」でなく、「絶対悪」の犯罪行為である。厳しく戒めるしかない。

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