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 なぜ不正に手を染めたのか。流用した金は何に使ったのか、不正の手口は引き継がれてきたのか-。問いただしたいことの一端が明らかになった。

 神戸市議会の政務活動費(政活費)不正流用事件で、詐欺罪で在宅起訴された元市議3被告の初公判が神戸地裁であった。3被告は起訴内容を認めた。

 とはいえ、3被告は公の場で事件を語ることなくこの日を迎えた。罪を認めるのなら、有権者に謝罪し、内幕を洗いざらい明らかにすべきだ。

 事件は2年前の6月、本紙の報道で発覚した。会派「自民党神戸」(既に解散)が、架空の調査委託や出費の水増しなどで虚偽の領収書を作成し、政活費をだまし取っていた。

 不正流用した金は一部を会派の「裏金」とし、自分たちの市会議員選挙の陣中見舞いなどに使っていた。市議会が真相究明のため設置した検討会は、流用額を約3447万円と推定し、会派で全額を返済した。被告らは、計約2300万円を詐取した罪で起訴された。

 初公判で検察が明らかにした供述は、市民が怒りを覚える内容だった。被告らは流用した金を主に私的に使っていた。使途として住宅ローンや債務の返済、遊興費、国内外の旅行費用などを挙げた。有権者を愚弄(ぐろう)する行為と言うほかない。

 浮き彫りになったのが、政活費を「自由に使える金」とみなす感覚である。

 「妻が給与を管理しており、自由に使える金がほしかった」「議員1期目は自由に使えたが、2期目になると領収書の提出が必要になり、厳しくなった。だから白紙の領収書を頼むようになった」

 政活費は議員活動のため、税金から支出される。3被告はいずれも多選のベテラン議員で、当選回数を重ねるうちに感覚がまひしたのだろうか。

 不正の根深さを感じさせる供述もある。付き合いのある業者に水増しや白紙の領収書を頼む不正の手口を、先輩議員に教えられたという。

 神戸市議会ではほかにも、自民党議員団の若手市議が不正を認め、今年夏に辞職している。同様の手口が広がっているとの疑念はますます深まった。

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