社説

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 沖縄県の米軍普天間飛行場所属のヘリコプターが、うるま市伊計島(いけいじま)と読谷村(よみたんそん)に相次いで不時着した。昨年末には、飛行場周辺の小学校などに部品を落下させる事故を起こしている。

 この状況を米軍はどう受け止めているのか。不時着に抗議した沖縄県に対し、在沖縄米軍トップは「クレージー(狂っている)」と漏らした。

 異常事態であることは明らかだ。米軍は事故やトラブルが起きるたびに「人的ミス」などと説明し、原因を曖昧にしたまま飛行を再開してきた。同盟国への配慮を欠く不誠実な対応だ。

 日本政府は全航空機の整備・点検の徹底と抜本的対策を求めている。これまでのように米軍任せにせず、履行されるまで粘り強く交渉すべきである。

 普天間飛行場所属の米軍機が各地に飛来し、事故やトラブルを起こす。飛行場を辺野古沖に移設しても、同様の事態がなくなるとは言えず、県民の安全は守れないことを如実に物語る。政府が繰り返す「辺野古が唯一の解決策」との主張は説得力を失っている。立ち止まって再考すべきである。

 沖縄だけでなく、米軍海兵隊の事故は世界各地で起きている。海兵隊の幹部は昨年、米議会の公聴会で「十分に訓練された搭乗員が不足している」と述べた。国防総省は、軍事予算の削減が整備に影響を与えていることを認めている。

 訓練不足の搭乗員が整備不十分な機体を飛ばしているのなら、断じて許されない。

 しかも米軍は日米地位協定を盾に、日本側が事故の状況を把握することすら認めない。1960年の締結から、協定の条文が改定されていないことを、日本政府はもちろん、国民も重く受け止める必要がある。

 同じように米軍が駐留するドイツやイタリアでは、国民の間で米軍機の事故や危険な訓練に抗議の声が広がり、政府が改定の交渉を重ね、実現させた。両国とも米軍の駐留は必要と認めている。その上で、国内法の適用や訓練の制限を取り決めた。友好的な同盟のあり方だろう。

 地位協定は基地を抱える地域だけの問題ではない。危機感を共有し、政府に対し改定に向けた取り組みを強く求めたい。

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