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 阪神・淡路大震災は、国内で災害時の心のケアが注目されるきっかけになった。「トラウマ(心的外傷)」「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」などの言葉も一般的になった。まさしく「心のケア元年」だった。

 それから23年がたち、新たな仕組みが導入されている。国が5年前に打ち出した災害派遣精神医療チーム(DPAT=ディーパット)である。

 東日本大震災の際には、精神科医を派遣する公的なシステムが確立していなかった。各地から心のケアチームが被災地に入ったものの、支援地域が偏るなどの問題が発生した。

 こうしたことを教訓に、都道府県などのレベルでDPATを常設した。指揮系統を明確化して、スムーズな活動につなげるためだ。変化する現地のニーズに対応するのに適切な仕組みを目指している。

 1チーム5人程度で、精神科医や看護師らで構成する。DPAT事務局(東京)の調査では、昨年1月時点で、全国の33自治体で374チームが登録する。空白地域をなくすよう、さらにチームの数を増やしたい。

 一昨年の熊本地震では、兵庫県の「ひょうごDPAT」も発生直後から約1カ月半にわたり、計8チーム26人を派遣した。倒壊の恐れのある精神科病院の入院患者の搬送支援をしたほか、避難所を巡回して被災者と面談するなどした。

 DPATはこれまで広島の土砂災害などに派遣されたが、全国規模で出動したのは熊本地震だけだ。チームとして貴重な経験を持ち帰ったが、「活動の場面がそうたくさんあるわけではない。日ごろの準備が大事になる」。ひょうごDPATを統括する加藤寛・兵庫県こころのケアセンター長はそう語る。

 メンバーは入れ替わりがある。センターで実施する研修を通じ、いつ有事があっても同じ活動をできるよう、人材育成とスキルアップを図っている。

 南海トラフ巨大地震では、兵庫県の被災も想定される。いざというときに十分な支援をするために、研修に加え、他の自治体や保健医療チームとの連携強化など平時の準備をさらに推

し進める必要がある。

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