社説

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 トランプ米大統領が就任1年を迎えた。

 この間、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明するなど、世界を混乱に陥れた。「アメリカ・ファースト」を前面に、自国の利益を最優先して強硬的な姿勢を押し通し、国際社会で孤立を深めた。イスラム圏などからの入国制限や人種差別的発言など排外的な言動で、国内の分断をあおった。

 超大国のリーダーにふさわしくない振る舞いであり、公約の多くは行き詰まっている。

 トランプ氏について分かったことが二つある。一つは、「政権を握れば穏健になるだろう」という当初の楽観論が誤りだったことだ。

 問題発言などを厳しく批判されても何度も繰り返す。ツイッターを使って「フェイク(偽)ニュース」と主要メディアを執拗(しつよう)に攻撃し続ける。首をかしげるような態度は、むしろひどくなったようにさえ映る。

 もう一つは、政策決定で極めて独善的だということだ。

 パリ協定離脱表明時には、長女のイバンカ大統領補佐官らの反対を押し切った。エルサレムをイスラエルの首都と認定した際は、ティラーソン国務長官らの警告を退けた。いずれも国際情勢の流れを無視した判断と言わざるを得ない。

 一方で、支持率は30%台と低迷するものの、強固な支持基盤は健在だ。大型減税を柱とする税制改革法も成立させた。「富裕層優遇」と指摘されるが、景気拡大が続き、失業率も下がっている。この流れが止まった時に、白人労働者の支持層が離れていくことも考えられる。

 政権2年目は、大統領選干渉疑惑(ロシアゲート)という火種を抱え、11月には中間選挙も控えている。

 だが最も不安な要素は、やはり「予測不能」なトランプ氏自身の言動だろう。

 日本はどうすればいいのか。

 国際社会での米国の影響力は急速に弱まっている。世界の安定化を維持するため、日本は欧州やアジア諸国などとの連携をさらに深めていくべきだ。その上で、北朝鮮の核・ミサイル開発問題は、圧力強化だけでなく、対話での解決を目指すよう粘り強く説得する必要がある。

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