社説

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 22日の通常国会召集を前に、「原発ゼロ」法案化を巡る動きが活発化してきた。法案は立憲民主党と、小泉純一郎、細川護熙(もりひろ)両元首相らが作成した計2本がある。

 政府は脱原発依存を掲げる一方で再稼働を容認し、安倍晋三首相自ら海外への原発輸出に力を入れる。政府が原発政策で本音と建前を使い分けるのは、国権の最高機関である国会がエネルギー政策の総点検を十分行わなかったからではないか。

 事故から7年が迫っても原発を巡る国民的な議論がなされたとは言い難い。与野党は原発ゼロ法案を審議入りさせ、真正面から議論を重ねる必要がある。

 立憲民主は、2030年までの全ての発電用原子炉廃止と年間電気需要量の3割以上削減を掲げた。一方、小泉氏らの案は全原発の即時停止のほか、50年までに再生可能エネルギー100%の目標を盛り込んだ。

 昨年の衆院選では、希望の党が30年までの脱原発を唱えたが、民進党議員への「排除」発言で失速し議論が深まらなかった。電力総連が支援する民進党や前身の民主党はもともと原発政策への歯切れが悪く、社民、共産両党が反対を掲げても野党の大同団結には至らなかった。

 与党と野党の議席数に大きな開きがある中で十分な議論を戦わせるには、二つの法案を一本化し、与党への明確な対抗軸を示す戦略が要る。

 共同通信社の世論調査では、即時停止に賛成なのは、公明支持者の過半数に達し、自民支持者でさえ3分の1いる。原発に対する厳しい視線は与党支持者の間でも根強い。政権はその点を直視しなければならない。

 なにより福島事故を真摯(しんし)に反省すべきだ。

 全国の原発42基のうち、運転中は4基だけだ。小泉氏らが掲げる原発即時停止も、供給面で支障を来すとは言い切れない。

 福島第1原発の廃炉や核のごみの最終処分など、出口が見えず、難題が山積する。それでもさらに原発を推し進めるのか。再生可能エネルギーに思い切って政策のかじを切るのか。

 熟議を重ねて国民的合意を図るのが政治の責務だ。与野党は次代に先送りせず、今こそ取り組まなければならない。

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