社説

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 降り注いだ噴石で、あちこち陥没したスキー場のゲレンデが恐ろしさを物語る。

 群馬県草津町の草津白根山(しらねさん)が噴火し、飛び散った噴石がスキー客や訓練中の自衛隊員を襲った。自衛隊員1人が命を落とし、計11人が重軽傷を負った。

 群馬県は隣の長野県などと並んで、県内に活火山を抱えることからハザードマップ(危険予測地図)の作成、防災無線や避難壕(ごう)(シェルター)の設置が進む火山防災の先進地だ。

 草津白根山は気象庁が常時監視し、警戒レベルを発表する全国38の火山の一つでもある。それでも今回の噴火は「想定外」の地点で起き、ラジオやスマートフォンなどで避難を促す噴火速報すら出せなかった。

 いくつかの要因が重なったとはいえ、巨大地震の予知と同じように、火山も噴火の兆候を察知することは難しいと認識せざるを得ない。

 私たち一人一人が住んでいるまち、仕事や勉学で通うまちはもちろん、旅先でも、その土地の災害情報に敏感になることが必要だろう。

 草津白根山は白根山、本(もと)白根山など複数の山からなる。過去の記録から気象庁などが監視カメラで常時観測し、警戒していたのは北側の白根山だった。ところが、「ほぼ休止状態」と考えられていた南側の本白根山が噴火した。前回の噴火は約3千年前とされる。

 さらに、火山性微動などが現れやすいマグマ噴火でなかったため、兆候がつかめないまま、いきなり噴火に見舞われる事態となった。マグマの熱で地下水が爆発する水蒸気噴火だった可能性が指摘されている。

 活火山は全国に111ある。本白根山のように監視が手薄な火山も多く存在する。人と金を投じる上で限界がある中、今回の噴火と対応をしっかりと検証し、備えの議論を深めたい。

 2014年の御嶽山も兆候が現れにくい水蒸気噴火だった。活火山周辺の自治体や集客施設は、いざというときの避難計画の作成、そして避難場所の整備を急ぐべきだろう。

 火山周辺には温泉などの観光地も多い。火山のリスクを地域で共有し、共生の道を探ってもらいたい。

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