社説

  • 印刷

 なぜ国有地は8億円も値引きされたのか。それが学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る疑惑の核心である。

 真相解明には、財務省と学園側でどういった交渉がなされてきたのかを示す記録が不可欠だ。財務省はこれまで「価格交渉は一切していない」「交渉記録は既に廃棄した」と説明してきた。だから詳しい説明を求められても無理だ、と。

 ところが、その交渉経過が分かる記録が財務省に存在していたことが明らかとなった。そこには、売却価格を巡る生々しいやりとりが記されていた。国会では連日、野党の追及が続く。政府はすべての情報を国会で開示すべきだ。

 野党側は、国会審議で価格交渉と記録の存在を真っ向から否定した前理財局長、佐川宣寿(のぶひさ)氏の国会招致を求めている。

 よく調べないで国会に臨んだのか、それとも最初から追及を突っぱねるつもりだったのか。場合によっては虚偽答弁の疑いが生じる事態だ。

 佐川氏は現在、国税庁長官を務める。国民に納税の義務を果たすよう求める組織のトップである。納税者は「必要書類は廃棄した」では通らない。

 佐川氏は長官就任以来、一度も会見を開いていない。異例のことだ。国民に向き合おうとしない対応で職責が果たせるのか、はなはだ疑問である。

 折しも今月は確定申告のシーズンだ。国民が納得して税金を納められるよう、しっかり説明責任を果たしてもらいたい。

 交渉の記録は1月、情報公開請求していた大学教授に開示された。さらに先週末には、財務省が新たな20件の文書を国会に提出している。

 昨年の会計検査院の報告を巡り、報告前日になって突然、記録文書が提出されていたことも明らかになった。

 財務省の不誠実な対応が明らかになるたび、国民の間で「やはり何か隠しているのか」との印象が強まっていく。不信感の矛先は安倍政権に確実に向けられている。

 安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与がうかがえる音声データも公開された。首相は否定しているが、佐川氏と同じく、昭恵氏にも国会での説明を求める。

社説の最新
もっと見る

天気(5月28日)

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 10%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 28℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ