社説

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 政府が文化財保護法の改正案を閣議決定した。文化財を観光やまちづくりに生かし、地域の活性化を図る狙いがある。

 ひな型とされたのは、「歴史文化遺産活用構想」を独自で打ち出し、市町との連携を深める兵庫県教委の取り組みだ。

 地元に残る有形、無形の文化財に目を向け、きちんと守りながら、親しむ方法を考える。そうした動きが兵庫から全国に広がることは喜ばしい。

 とはいえ、貴重な文化財に自由に手を加えていいわけではない。後世に遺産として継承するためにも、価値を理解して保存する努力が大前提となる。

 文化財は城郭や寺社などの歴史的建物や美術工芸品、史跡、伝統芸能など幅広い。価値の高いものは、国や自治体の保護対象とされる。

 文化財保護法はそのための指定や登録などの手続きを定めた法律だ。ただ、どう活用するかという観点は乏しいとされ、文化庁が見直しを進めていた。

 改正案には、活用の地域計画を定めた市町村を支援する制度が盛り込まれた。国が認定すれば、国指定文化財の史跡に観光客のための仮設案内所を設置するなどの工夫が可能になる。

 一方、都道府県は保存・活用の大綱を定め、市町村との連携や調整を行う。今国会で法が改正されれば、来年4月から新たな仕組みが動きだす。

 兵庫県は国に先駆けて2003年に活用構想を打ち出した。阪神・淡路大震災で被災した文化財の調査と保護に奔走した経験から、官民挙げて大切に守り伝える施策を進めている。

 県内の自治体でも同様の動きが広がる。文化財の活用について基本構想や計画を策定したのは高砂市、姫路市、新温泉町、淡路市、神河町など9市町で、全国の都道府県で最も多い。

 その一つ、篠山市では、研究者ら専門家と住民が協力して市内の古民家や旧街道の街並み、祭礼などを調査し、詳細な資料集をまとめた。NPO法人が空き家の古民家を宿泊施設などに再生させた事例が、法改正を検討する際の参考にもされた。

 観光などの経済効果も期待されるが、地域の「宝」を大切にする活動は何より住民の心を元気にする。着実に進めたい。

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