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 神戸製鋼所の製品データ改ざんに捜査のメスが入った。

 東京地検特捜部と警視庁はきのう、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで神戸、東京の両本社と工場を家宅捜査した。

 4月から新しい経営陣の下で再発防止の取り組みを始めたばかりの神鋼にとって、経営の根幹に関わる大きな問題だ。

 神鋼は日本の製造業を代表する大手で、地域経済の「顔」といえる存在だ。兵庫県内には大阪府に次いで2番目に多い約千社の取引先がある。強制捜査の可能性が取りざたされていたとはいえ、地元の衝撃は大きい。

 製品の納入先は国内外の延べ約700社に上り、米司法省も調査を続けている。加えてカナダや米国の消費者が損害賠償の訴えを起こすなど、経営への影響は予断を許さない。

 捜査当局は国内外に影響が広がっていることなどを重視し、指揮系統の解明のため一斉捜索に踏み切った。

 3月に神鋼が公表した調査報告書によると、アルミニウムや銅製品などの品質データ不正は国内外の23工場で行われ、古くは1970年代から続いており、根深さを示している。

 不正に関与した社員約40人のうち、OBを含む5人の役員経験者は自ら関わったり黙認したりしていた。一部の工場や子会社ではマニュアルのような文書も見つかった。しかし、神鋼は「本社からの指示は一切なかった」と強調している。

 神鋼は1999年の総会屋への利益供与事件で、幹部が有罪判決を受けた。神戸、加古川両製鉄所のばい煙データ改ざんも記憶に新しい。そのたびにトップが交代して再生を誓いながら、不祥事を繰り返してきた。

 今回の製品データ改ざんでまたしてもブランドイメージに大きな傷をつけた。事態を深刻に受け止めるべきだ。

 外部調査委員会からは「閉鎖的で現場が声を上げられない」と指弾された。その組織風土を直視し、今度こそ抜本的に変える必要がある。

 「神鋼は変わった」と顧客や地域から評価されるようになるには、神鋼自身が自浄作用を発揮できるかどうかにかかっている。強制捜査を機に改革を加速させねばならない。

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