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 政府は今後の経済政策や財政運営の基本方針となる「骨太方針」案をまとめた。

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた建設ラッシュは閉幕後に沈静化し、景気低迷に陥りかねない。団塊世代が後期高齢者に近づき、社会保障費も一段と増加する。

 五輪後に経済が苦境に陥る事態を想定すれば、今のうちに歳出を大胆に見直して財政出動の余地を確保する必要がある。

 しかし今回の方針案は、経済成長による税収増をあてこみ、財政再建目標も先送りした。

 危機感が乏しすぎないか。国と地方の借金は1千兆円を超し、社会保障を担う生産年齢人口は減り続ける。その現状を直視して、持続可能な政策を練り上げるべきだ。

 方針案は、税収と政策支出のバランスを示す基礎的財政収支について、国と地方を合わせた黒字化目標をこれまでより5年遅らせて25年度とした。社会保障費は高齢化による増加分に収めるとし、従来のような数値目標は掲げなかった。

 財政健全化の目標実現には、名目3%を上回る経済成長を必要とするが、かつてのバブル期に匹敵し実現性が疑わしい。基礎的財政収支の赤字は本年度で16兆円を超す。支出の4割を超す社会保障費の削減は必至だが、数値目標なしでは困難だ。

 安倍政権が2度延期した消費税増税は、19年10月実施を明記した。一方で19、20年度の当初予算に「臨時・特別の措置」として、増税による消費冷え込みへの対策を講じる。

 当初予算に盛り込めば、形を変えて存続しかねない。補正予算による特例措置とするべきだ。国民に税負担増を求める一方で、財政拡大に誘う抜け穴ばかりが目につく。

 方針案は、新たに外国人就労の積極受け入れも示した。人手不足に対応して、単純労働分野で在留資格を新設する。

 海外からの技能実習生が劣悪な条件で働く例は多い。生活環境などを整えないまま受け入れるのでは国際社会から批判を浴び、地域社会にも摩擦を生む。

 五輪を機に、多様な価値観を持つ人が共生できる社会へと日本が変わる。そのための一歩としなければならない。

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