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 安倍晋三首相が自民党総裁選への立候補を正式に表明した。石破茂元幹事長との一騎打ちの構図が固まった。

 与党第1党のトップに選ばれることは、すなわち次の内閣総理大臣に就任するということだ。内外に課題が山積している中、国のリーダーとしての考えをはっきりと示す必要がある。

 争点は、6年間の安倍政権の実績と政治姿勢だ。

 首相はこれまで「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」などを重要政策として打ち出してきた。だがいずれも成果に乏しく、看板の掛け替えに終わった感が否めない。

 中でもアベノミクスは最重要テーマである。確かに株価は上がり、失業率は下がっている。しかし潤うのは大企業や一部の富裕層ばかりで、中小企業や地方には実感がほとんどない。今後もアベノミクスを継続するのか、違う経済政策を打ち出すかが、論点となる。

 人口減が加速する地方は、政治への期待が強い。共同通信社が実施した自民党の都道府県連幹事長アンケートでは、地方の景気回復を重視する政策への注文が相次いだ。

 今回の総裁選から、地方票が国会議員票と同数に引き上げられた。国会議員票の7割を首相が固めたとされ、地方票の行方が焦点となっているだけに、具体的な政策が今後の流れを左右する可能性がある。

 憲法改正も争点に浮上している。首相は今月、「改憲は党是であり、全ての党員の悲願だ」と、9条への自衛隊明記などの改憲案を秋の臨時国会へ提出するよう促した。石破氏は、9条改正は「緊急性がない」として、参院選の「合区」の解消などを優先する考えだ。

 ただ、最新の世論調査では、次期国会での改憲案提出への反対が半数を占め、賛成を上回った。国民は、必ずしも改憲を望んでいるわけではない。その意思を受け止めるべきだ。

 直接対決で世論の喚起に活路を求める石破氏は、政策テーマ別の討論会を求めているが、首相陣営は消極的という。首相は立候補表明で、「骨太の議論をしていきたい」と述べた。ならば、国民の前で堂々と骨太の議論を繰り広げてもらいたい。

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