社説

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 翁長(おなが)雄志(たけし)知事の死去に伴い9月30日に投開票される沖縄県知事選に、玉城(たまき)デニー自由党幹事長が立候補を正式表明した。

 玉城氏は、県政与党会派や国政の野党4会派から支援を受ける。政権与党の自民と公明はすでに前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏の擁立を決めており、事実上、一騎打ちの構図が固まった。

 最大の争点は、米軍普天間基地(宜野湾市)の移設計画に伴い国が進める名護市辺野古沖の基地建設への賛否である。

 翁長氏は建設に伴う埋め立ての承認取り消しを掲げ、国と法廷闘争を重ねたが最高裁で敗れた。承認撤回を表明したものの、決定する前に亡くなった。

 政府は「辺野古が唯一の解決策」との立場から一歩も踏みだそうとしていない。国と地方の関係は対等であり、国策といえども民意を無視したごり押しは許されない。沖縄の負担軽減を唱えるなら、選挙戦で示される民意に真正面から向きあう必要がある。

 辺野古移設について、玉城氏は「翁長氏の遺志を引き継ぎ阻止を貫徹する」と明言した。対して佐喜真氏は普天間返還を求めるものの、移設の賛否には言及していない。自民、公明の側には20日の自民党総裁選もにらんで、辺野古を争点から切り離し、安倍政権への批判を抑えようとの思惑もあるのだろう。

 しかし知事に就けば辺野古埋め立てに関する権限を持つ以上、立場を明確にしなければならない。ならば有権者の前で、堂々と議論を展開すべきだ。

 1999年に当時の稲嶺恵一知事が移設を容認した際、固定化を避けるため使用期限付きなどの条件を付けたが、現行計画は恒久施設だ。安全保障を取り巻く環境も変わっている。

 2014年の前回知事選では、自民党沖縄県連の幹事長まで務めた翁長氏が辺野古反対を掲げて立候補し、野党や市民団体、経済人も含めた「オール沖縄」の支援を受けた。

 なぜ沖縄だけ過剰な基地負担を強いられなければならないのか。こうした疑問や憤りを、政治的立場を超えて多くの県民が抱いている証しだ。

 選挙戦は本格化する。沖縄の思いを国民全体がわが事と受け止める機会としたい。

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