社説

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 翁長(おなが)雄志(たけし)知事の死去を受けた沖縄県知事選が告示された。政権与党の自民、公明や一部の野党が推薦する前宜野湾市長の佐喜真(さきま)淳氏と、県政与党の共産、社民や市民団体が擁立した前自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏が、30日の投票日まで事実上の一騎打ちを繰り広げる。

 最大の争点は、米軍普天間基地の移設計画に伴う名護市辺野古沖の基地建設への賛否だ。

 埋め立て承認撤回を模索した翁長氏の遺志を継ぎ、玉城氏は反対を明言する。一方、佐喜真氏は普天間返還や基地負担軽減を求めるが、移設の是非には触れていない。公開討論会でも「基地問題は国が決める」と、あえて争点にしない戦略だ。

 知事選の結果は、沖縄県民の民意を示すことになる。佐喜真氏は辺野古建設の論戦を避けることなく、有権者に立場を明らかにして判断を仰ぐべきだ。

 前回の知事選と大きく構図が変わったのは、自主投票だった公明党沖縄県本部が佐喜真氏と政策協定を結び、推薦に回った点だ。県本部は辺野古移設に反対の立場だが、協定は是非に触れていない。支持者の納得が得られる説明が必要である。

 政府は辺野古を負担軽減の「唯一の解決策」とするが、県民には反対が根強い。先日の名護市議選は、移設反対派が過半数を占めた。その中には公明議員も2人含まれている。与党内ですら地元では異論がある点を安倍政権は直視するべきだ。

 政府、与党は自民党総裁選の投開票を20日に控え、知事選の結果が政権運営にも響くと神経をとがらせる。

 2019年度政府予算の概算要求で、沖縄振興費は前年度要求と同額にとどまった。他省庁の要求額拡大とは対照的だ。誰が知事になるかで予算を見直す思惑もうかがえる。

 玉城氏は「新時代沖縄」と銘打ち、国の補助金や交付金に頼らない活性化策を掲げる。佐喜真氏は政府との対立より対話が重要とし、国からの一括交付金の増額を求める。

 人口減や高齢化が加速する中で、地方は国と対等な関係を貫きながらどんな将来像を描けるのか。国策に翻弄(ほんろう)されてきた沖縄の選択は、他の地方にとっても人ごとではない。

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