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 韓国でまたも日本に対して厳しい司法判断が示された。

 日本の植民地時代に工場労働に動員された韓国人元徴用工の遺族らが三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟で、韓国の最高裁は賠償を命じた二審判決を支持し、同社の上告を退けた。

 同社に対する訴訟では、元徴用工の遺族のほか、元朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊員の女性5人も賠償を求めていた。最高裁はどちらの主張も認め、合わせて9億6千万ウォン(約9600万円)の賠償命令判決が確定した。

 この問題では、先日も新日鉄住金(旧新日本製鉄)に対する4億ウォンの賠償命令判決が確定している。さらに10件以上の訴訟が提起されているが、日本企業の責任を問う流れは完全に定着したとみていい。

 強制動員の労働者は、韓国政府の認定で約15万人に上る。同様の賠償判決が続けば、企業だけでなく、日韓関係に重大な影響を及ぼす恐れがある。

 本はといえば1965年の日韓請求権協定で「解決済み」とされてきた問題だ。韓国政府が救済に乗り出す責任を負っているのは言うまでもない。

 とはいえ、日本も韓国側の対応を批判するだけでなく、負の歴史を克服する道を共に探らねば、打開策は見いだせない。

 そもそも徴用は、日本が定めた国家総動員法に基づく国民徴用令などで行われた。今日まで賃金は未払いのままで、被害者はほとんど補償を受けてこなかった。高齢となり、救済が急がれることは間違いない。

 日韓請求権協定では「完全かつ最終的に解決された」と明記されている。韓国側も日本が支払った3億ドルの無償資金を「強制動員の被害補償」とみなしてきた。「友好関係の基盤を根本から覆す」と韓国を批判する声が高まるのは当然だ。

 ただ、安倍政権は国際司法裁判所への提訴などの「対抗策」を示唆するが、日本の裁判所も個人の請求権の存在は否定していない。「国際社会では必ずしも日本の主張への理解は得られない」との専門家の指摘に、冷静に耳を傾ける必要がある。

 徴用工問題は北朝鮮との間でもいずれ課題となるだろう。まず日韓で、被害者の傷を癒やす方策を話し合うべきだ。

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