社説

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 米軍普天間基地の名護市辺野古沖移設について賛否を問う沖縄県民投票が、2月24日の予定日を前に揺れている。

 県は当初、全41市町村の参加を想定していた。ところが普天間を抱える宜野湾や県人口の1割を占める沖縄、宮古島の3市が不参加を表明しているのだ。

 投票条例は、県民の署名による直接請求を受けて県議会で昨年10月に成立した。署名は9万筆を超え、法的に必要な数を大きく上回った。工事を強引に推し進める国に対して、民意を具体的に示そうとする県民の意思の表れだ。それを自治体が拒むのは理解に苦しむ。

 投票への参加を市町村が拒否しても、県に法的な強制力はない。しかし直接請求に基づく条例で定めた投票権が行使できない地域が生じれば、法の下の平等に反する。そのことを重く受け止めるべきだ。

 不参加を表明した自治体では、投票事務に必要な補正予算案を議会が否決したり、削除したりした。法に基づき首長が議決のやり直しを求めても、再度否決した例もある。

 予算は県が交付するので市町の負担はない。反発は、投票そのものに向けられている。

 宜野湾市長は「投票結果次第で普天間が固定化される」と話す。辺野古を拒めば普天間は戻らないとの考え方で、辺野古を「唯一の解決策」とする政府の主張と通じる。日米合意は、完成しても直ちに普天間が返還されない可能性があることを示す。それをどう考えるのか。

 ある電話世論調査では、宜野湾市民の7割が投票の実施に「賛成」と回答している。意思表示をしたいという市民の思いを無視することにつながる。

 投票は移設への「賛成」「反対」の二者択一だ。この点に抵抗を示す首長や議会もある。投票を呼びかける市民団体は賛成を「容認」と改めたり、「やむを得ない」を加えたりするなど条例改正の検討も始めた。

 選択肢が変われば、民意があいまいになる恐れもある。それでも重要なのは、全ての県民が辺野古への意思を表明できる機会を設けることだ。

 投票日は迫っている。全県での実施に向け、反対派も歩み寄る努力を惜しんではならない。

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