社説

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 自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の施行から、きのうで3年となった。

 情報公開が不十分なまま、国の基本姿勢である「専守防衛」からの逸脱が進む。国民の懸念をよそに既成事実を積み上げる動きは、加速する一方だ。

 説明に後ろ向きな安倍政権の姿勢は不誠実というしかない。

 端的な例が、自衛隊が米軍の艦船などを守る「武器等防護」である。2017年に米海軍の補給艦に初めて実施された。

 その年は2件にとどまったが、18年度は16件に急増した。

 なのに防衛省は「日本防衛のための共同訓練に参加した米艦艇、米航空機」などと示すのみで、具体的な状況は明らかにしていない。「米軍の運用に直結する内容」との理由からだ。

 安倍晋三首相は当初、「可能な限り最大限開示し丁寧に説明する」と語っていた。実際は、国民の知らないところで米軍との一体化が強まっている。

 自衛隊活動が際限なく拡大する懸念が募る。政府は説明責任をきちんと果たすべきだ。

 「武器等防護」の他にも政府はこの3年間、南スーダン国連平和維持活動の「駆け付け警護」など、安保法の新任務を相次いで自衛隊に付与してきた。

 4月にはエジプト・シナイ半島に自衛隊員2人を派遣する。これも「国際連携平和安全活動」という新任務で、停戦監視に当たる「多国籍軍・監視団」の司令部要員を務める。さらなる実績作りが狙いだろう。

 これらと並行して、政府はヘリコプター搭載型自衛艦「いずも」の事実上の空母化や、敵基地攻撃能力の保有につながる長距離巡航ミサイルの導入を打ち出した。いずれも憲法の制約を逸脱する恐れがあり、歴代政権が踏み込まなかった領域だ。

 一方、政府はトランプ米大統領の求めに応じて米国製装備品を大量購入する。19年度予算案では過去最高の7千億円超を計上したが、米側の要請はさらに増える可能性がある。

 主権者の国民には語らず、米国には大盤振る舞いする。そうでないと言うのなら、いったん動きを止めて、国民の納得が得られるまで徹底的に議論すべきだ。このままでは「平和主義」までが形骸化しかねない。

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