社説

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 買い物客でにぎわう日曜午後の神戸・三宮の駅前で、あってはならない事故が起きた。

 神戸市営バスが、大勢の歩行者が行き交う横断歩道に突っ込んだ。はねられた2人が死亡し、6人が重軽傷を負った。市民の足であり、何よりも安全が求められる市バスが、なぜ人の命を奪ってしまったのか。原因を徹底解明しなければならない。

 事故は、市バスが現場のすぐ北側にある停留所で乗客を全て降ろした後に起きた。再び動きだしたバスは赤信号の停止線で止まることなく、横断歩道にゆっくりとした速度で入ってきたという。

 青信号になった横断歩道を人々は何の気なしに渡っていただろう。多くの歩行者と自転車を巻き込んだバスは高架下の中央分離帯で止まった。

 ちょっとした気の緩みや単純なミスがとんでもない大事故につながる。大型車両の怖さとともに、ハンドルを握る者の責任の重さを改めて痛感する。

 兵庫県警は、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで、64歳の市バス運転手を現行犯逮捕した。

 調べに対し、運転手は「停止線に向けて発進作業をしていたところ、ブレーキを踏んでいたが急発進した」と話しているという。一方、県警はアクセル操作を誤った可能性を含めて慎重に調べている。

 原因究明には車の故障や運転操作のミスとともに、運転手の健康状態についての調査も欠かせない。

 加齢に伴う体力や判断力の衰えにも注意が要る。人手不足から全国で増えている高齢運転手向けの対策の必要性を指摘する声もある。

 近年、市街地で車の暴走による事故が多発している。2016年5月には、駅北側の交差点で歩道に乗り上げた乗用車が歩行者をはねる事故が起きた。先日も東京・池袋で死傷事故があったばかりだ。

 今回の事故現場は車の通行量が多く、停車する車や歩行者で混雑することから危険を感じる人もいた。悲惨な事故が二度と起きないよう、神戸市は交通政策の視点からも事故につながる要因がなかったかを分析し、再発防止に生かさねばならない。

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