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 スリランカで起きた連続爆破テロは、300人を超える死者と500人以上の負傷者を出す大惨事となった。日本人も1人が死亡し、4人が負傷した。

 国内の不安は高まっており、シリセナ大統領は全土に非常事態宣言を発令した。早期の治安回復が望まれる。

 爆発は、キリスト教会や高級ホテルなど8カ所で相次いで発生した。キリスト教徒や外国人を標的にした可能性がある。無差別に多くの命を奪う卑劣な犯行を断じて許してはならない。

 スリランカ政府は、初期の捜査で、ニュージーランドで3月に起きた銃乱射事件の報復としてイスラム過激派が実行したことが分かった、と発表した。

 クライストチャーチの二つのモスク(イスラム教礼拝所)が襲われた事件で、礼拝に訪れた50人が犠牲になった。過激派組織「イスラム国」(IS)がきのうになって、スリランカでテロを実行したのはISの戦闘員だとする犯行声明を出しており、動機や背後関係の解明を急がねばならない。

 スリランカでは1980年代から仏教徒中心のシンハラ人とヒンズー教徒中心のタミル人との間で内戦が続いていたが、10年前の終結後は大きなテロ事件は起きていない。イスラム教徒とキリスト教徒はともに少数派で、衝突はほとんどなかった。

 ただ、南アジアでは近年、イスラム教徒の一部が過激化し、キリスト教徒や外国人を狙ったテロが目立つ。2016年3月にはパキスタンでキリスト教徒を狙った自爆テロがあり、70人以上が亡くなった。同年7月にバングラデシュで起きた飲食店襲撃テロでは、日本人7人を含む人質ら22人が死亡した。

 今回、それらの地域から過激派がスリランカに流入した可能性も指摘されている。ISがシリアなどの支配地を失いながらも実際に関与していたのだとすると、国際的なテロの恐怖は依然大きいことになる。

 スリランカは内戦終結後、豊かな自然や古代都市などの世界遺産を目当てにした旅行者が増え、経済成長も続いている。だが、テロで深く傷ついた。

 憎悪の連鎖を断ち切るためにも、国際社会は結束を強めて対処する必要がある。

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