社説

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 「労働者の祭典」である5月1日のメーデーが目前だ。

 8時間労働制の実現を求めた1920(大正9)年の第1回メーデーから1世紀。改元と重なる今年は、働き方を巡るルールが大きく変わる中で迎える。

 心身をむしばむ長時間労働の是正は急務だ。しかし、それ自体がゴールではない。働きがいのある人間らしい労働とは何か、生産性の向上とどう両立させるのか-。今後の人口減少も見据え、考える必要がある。

 4月から順次施行が始まった働き方改革関連法は、残業時間に初めて上限規制を設けた。月45時間、年360時間を原則とする。年5日以上の有給休暇(有休)の取得も義務づけた。罰則規定があり、多くの企業が対応に追われている。

 「パートも有休が取れるか」「どうすれば残業が減らせるか」。神戸市にある厚生労働省所管の「兵庫働き方改革推進支援センター」には、働く人や経営者から問い合わせが相次ぐ。

 何より、働き方改革関連法の中身が十分に知られていない。国会審議が深まらないまま政府、与党が数の力で成立させたためだ。国は省力化投資への助成など複数の支援策を設けるが、浸透していない。

 就業者の約7割が勤める中小企業への丁寧な周知が欠かせない。2年後には中小にも同一労働同一賃金が適用される。意欲のある企業が働きやすさと競争力を高められるよう、政府には人材開発に対する支援などきめ細かな対応を求めたい。

 「三六(サブロク)協定」への理解を深めることも重要だ。労働基準法36条に基づく協定を結ばず従業員に残業させれば、法律違反になる。厚労省によると、時間外労働の協定を結ぶ中小企業は4割強という。雇用主としての自覚を促したい。

 女性の育成や登用も途上といえる。夜勤は男性、事務作業は女性など、固定的な役割分担意識の解消を掲げるのが女性活躍推進法だ。企業努力はもちろん、女性自身も分業意識を自ら乗り越えようとする勇気を持ってほしい。

 女性が能力を発揮できる職場は男性にとっても働きやすいはずだ。働き方の多様化を企業の成長の原動力にしたい。

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