社説

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 天皇陛下がきょう退位され、「平成」が幕を閉じる。明日は皇太子さまが新天皇に即位され、元号は「令和」に改まる。

 新時代を迎える高揚感が広がっている。一方で改めて30年を振り返り、これからの時代について考えることも重要だ。

 平成期を一言で表現するのは難しい。バブルが崩壊し「失われた20年」と言われる経済の低成長が続いた。ベルリンの壁の崩壊で東西冷戦は終結したが、テロが拡散し、国際社会では対立と分断が深まっている。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災などの災害が相次ぎ、原発事故も起きた。リスクが表面化し、備えと支え合いの大切さを痛感した時代でもあった。

 一方、内閣府の2018年度の世論調査では、現在の生活に「満足」「まあ満足」が74・7%と過去最高を記録した。雇用の不安定化や格差拡大が問題になる中で、多くの人が現状にそれなりに「満足」している。

 ただ、日常生活に「悩みや不安を感じている」も63%を占めている。「老後の生活設計」や「自分の健康」への不安はいずれも半数を超えた。景気回復に陰りが見える状況で、満足と不安がない交ぜになった状況が、今の世相と言えないか。

 社会の高齢化と人口減少はこれから速度を速める。平成が停滞と模索の時代だったとすれば、令和は未来の針路を見いだす前進と再生の時代としたい。

 その基礎になるのは、やはり平和の維持である。

 エネルギーの9割強、食料の6割強を海外に依存する日本は国際対立や紛争などの影響を他国以上に受けやすい。自衛隊の活動を海外に広げても、抜本的な解決策にはならない。

 元伊藤忠商事社長の丹羽宇一郎さんは著書「日本をどのような国にするか」で、できるだけどの国とも仲良くする道が日本の宿命と指摘する。中国大使も務めた経済人の実感だろう。

 「国の内外にも天地にも平和が達成される」との願いを込めた平成に続き、新元号の令和には「和」の文字が含まれた。

 安倍晋三首相が語るような「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」国とするためには、平和を守り抜く決意が次の時代にも求められる。

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