社説

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 後半国会が始まった。参院選前最後の与野党論戦の機会である。有権者に選択肢を示す、建設的な議論を心がけなければならない。

 今国会は、国会改革が焦点の一つだった。しかし、立法府の機能強化につなげようとする改革の機運が高まっているようには見えない。

 安倍晋三首相の「1強政治」が続く中、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんなど、官僚が首相官邸を忖度(そんたく)し、行政の公正性をゆがめたとされる問題が相次いだ。首相をはじめ閣僚や官僚からは、国会を軽視するような答弁が目につく。

 これに対し、国会が事実の解明や再発防止策の提言などで十分な役割を果たしているとは言いがたい。国会の機能低下は極めて深刻だ。与野党とも、その危機感が薄いのではないか。

 今国会前半でも、野党は厚生労働省の統計不正問題の追及に時間を費やしたが、解明は進まなかった。

 注目したいのは、立憲民主党など野党5党が衆院に要請した「予備的調査」である。

 40人以上の議員が要請すれば衆院調査局に調査を命じることができる制度で、1998年に衆院に導入された。発動に与党の賛同が必要な国政調査権に比べて要件が緩く、少数政党の情報収集を容易にして国会活動を保障する趣旨だった。

 今回野党が求めたのは、実質賃金伸び率など厚労省が算出を拒んできたデータだ。省庁への強制力はなく、調査に時間がかかるなどの弱点はある。それでも実態の解明にあらゆる手を尽くすのが国会の責務だ。

 予備的調査は、かつての民主党が「消えた年金」問題などで政権を追及する材料ともなった。2010年以降、ほとんど使われていないが、与党が圧倒的多数を握る今の国会でこそ、少数政党の「武器」として制度を生かさなければならない。

 00年に始まった党首討論は形骸化が指摘されて久しい。昨年は2回、今年はまだゼロと先細りするばかりだ。

 1回45分間では討論の体をなさず、野党が多党化した現状では生かしきれていない。夜間開催やテーマの絞り込みなど活性化の具体策に踏み出すべきだ。

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