社説

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 政治・外交研究の第一人者で、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの復興に尽力してきた兵庫県立大理事長、五百旗頭(いおきべ)真さん(75)が、今年の神戸新聞平和賞を受ける。

 阪神・淡路で西宮市の自宅が全壊した。勤務していた神戸大学では、ゼミの教え子など多くの学生を亡くした。

 自身の被災体験が、復興・防災の議論をリードする原点となっている。東日本では政府の復興構想会議議長を務め、熊本地震でも復旧・復興有識者会議の座長として提言をまとめた。

 ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長にも就任し、被災地からの発言を続ける。世界的な学者の行動力にこれからも大いに期待したい。

 文化賞の宮本慶子さん(74)はマリンバ奏者のパイオニアで、演奏歴60年を超えるベテランだ。神戸を拠点に、後進の育成にも奮闘してきた。

 今は兵庫県音楽活動推進会議の代表として異なるジャンルの音楽家たちをまとめ、音楽界全体の発展に尽くす。弟子の中には和太鼓の奏者もいる。

 24年前の震災で人を励ます音楽の力を感じたという。「その力を広く発信していきたい」と思いを語る。兵庫から国内外へ、舞台は広がるばかりだ。

 学校法人「生野学園」は、不登校経験者を受け入れる全国初の学校法人として30年前、朝来市で開校した。姫路市の精神科医、森下一さんが経済界や市民に呼び掛け、寄付を集めて開校にこぎ着けた経緯がある。

 震災を機に「心のケア」への関心が高まり、学校ではいじめが問題になっている。職員らは時代に先駆けて思春期の心の問題に取り組んできた。その実践は社会賞に値する。

 大相撲で令和最初の新大関になった貴景勝光信さん(22)は芦屋市出身で、昨年11月の九州場所で兵庫県勢18年ぶりの幕内優勝を果たした。

 兵庫出身の大関は増位山に続き4人目で、実に39年ぶりである。小柄でも徹底した突き押しでファンを魅了する。横綱までまっすぐ突き進んでほしい。

 受賞される皆さんの努力と偉業を改めてたたえたい。兵庫の人材の輝きは、地域の多様性のたまものでもあるだろう。

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