社説

  • 印刷

 汚れているためにリサイクルできないプラスチックごみの輸出入に、初めて国際的な法規制が課せられる。

 有害廃棄物の国際的な移動に関するバーゼル条約の締約国会議で、汚れたプラごみを新たに規制対象に加える改正案が採択された。日本とノルウェーが共同で提案していた。

 生態系や人の健康に悪影響を与えるとして、世界各地で問題化しているプラごみの海洋汚染に歯止めをかける狙いだ。

 改正によって相手国の同意がないと輸出できなくなり、締約国は可能な限り国内での処分を求められる。リサイクル強化とともに、社会にあふれる石油由来のプラスチック製品を減らす契機とせねばならない。

 プラごみ廃棄量は年々増加傾向にある。国連環境計画(UNEP)によると、2015年は世界で3億トンに上り、海には年800万トンが流出している。

 日本や米国、欧州各国は国内で処理しきれないプラごみを「リサイクル資源」として途上国などに輸出してきた。

 規制の発端は、プラごみの最大輸入国だった中国が環境汚染などから18年1月に輸入を禁止した措置だった。新たな輸出先となったベトナムやマレーシアでも規制が強化され、プラごみの不法取引などの問題も出てきている。

 日本では年間約900万トンのプラごみが発生し、処理しきれない100万トン以上が輸出されてきた。

 政府は今回改正された条約が発効する21年1月までに、関連する国内法を整備する。効果的な対策を進めるには、まずどんなプラごみが問題になっているかなど、実態を正しく国民に伝えることが欠かせない。

 多くの人が気軽に利用するペットボトルも、洗浄して集めればリサイクル資源になる。だが、飲み残しやたばこの吸い殻などで汚れたものが混じれば再利用は困難になってしまう。

 輸出規制で行き場を失うプラごみが不法投棄されないよう、リサイクルの状況を調査して支援策を拡充する必要がある。

 安易なプラスチック製品の生産・利用を抑制する施策や、植物由来の生分解性プラスチックなどの普及も推進すべきだ。

社説の最新
もっと見る

天気(6月17日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 0%

  • 24℃
  • ---℃
  • 0%

  • 27℃
  • ---℃
  • 0%

  • 27℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ