社説

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 6月から始まるふるさと納税の新制度について、総務省は大阪府泉佐野市など4市町を除外すると発表した。

 寄付額の30%を超す地場産でない品、ネット通販のギフト券など、ルールに反する返礼品で多額の寄付を集めたと認定された。制度に基づく税の優遇がなくなり、4市町への寄付は大幅に減ると見込まれる。

 ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすると、2千円の自己負担分を除き居住地の住民税などが減額される。豪華な見返りで当初予算に相当する額の寄付を集める例がある一方、入ってくるはずの税収が減り住民サービスへの影響を懸念する自治体も少なくない。

 過熱する返礼品合戦を沈静化するための法改正を受け、総務省が3月に調達経費の上限やPR方法などの基準を定めた。

 なりふり構わず寄付集めに走る自治体の姿勢にも問題はある。だが、国の裁量で自治体を選別する仕組みは、国と地方の関係を対等とした地方分権の本旨と矛盾しないか。

 ほかにも不適切な寄付集めをしたとして、43自治体が7月に再申請を求められた。今後の改善が見られなければ9月以降は参加できない可能性がある。

 除外された4市町の中には、国の基準に沿い返礼品を改めたが認められなかったケースもある。再三の警告に従わなかったことへの懲罰的な扱いで、いつまで続くかも明確でない。総務省に「わび」を入れた町長の姿は、違和感がぬぐえない。

 自治体が国の顔色をうかがうような制度では創意工夫は引き出せないだろう。国は地方の声を聞き、公正で透明性の高い運用に努めるべきだ。

 ふるさと納税による2017年度の寄付総額は3600億円を超えたが、故郷などを応援する本来の趣旨は薄れつつある。専用サイトには各地の高級食材などが並び、お得な通販として利用する人が少なくない。

 新制度でも、限られた税源を地方同士で奪い合う構図は変わらない。税収の偏りを交付税の配分や税源移譲で是正するのが国の役割だ。

 制度のゆがみを拡大させた責任は国にもあることを、忘れてはならない。

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