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 大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う2度目の住民投票が来秋にも実施される見通しとなった。反対していた自民、公明両党が協力姿勢に転じたためだ。

 両党は4月の大阪府知事・市長ダブル選で都構想推進を掲げた大阪維新の会に大敗し、府議・市議選でも維新の躍進を許した。続く衆院大阪12区補欠選でも維新候補に敗れた。

 連敗のショックが大きかったとはいえ、あまりにあっけない手のひら返しに驚く。選挙で訴えてきた方針を転換するなら有権者への十分な説明が必要だ。

 公明党は選挙前、住民サービスが低下するとして都構想に慎重な考えを示し、大阪市を維持して行政区の権限を強化する「総合区制度」を主張していた。ところが一転、住民投票だけでなく、都構想そのものに賛成する可能性を示唆している。

 「民意を尊重する」との言い分はもっともらしいが、同党が指摘してきた懸念が解消されたわけではなかろう。結論ありきの協議で、都構想の問題点を明らかにできるのか疑問だ。

 一方の自民党は住民投票に賛成する意向の府連に対し、大阪市議団が反対姿勢を堅持するとして異を唱えている。党内の混乱を承知で方針転換を急ぐ必要があるのだろうか。

 自公は、それぞれ憲法改正論議や参院選対策をにらんで維新との対立を長引かせたくない事情を抱える。衆参同日選の可能性も取りざたされ、関係修復を最優先している印象だ。

 住民のためにならないとして「都構想に終止符を打つ」と訴えてきたのに、党利党略で態度を変えるのは住民不在のご都合主義というほかない。

 住民投票は実現に近づくが、問題は構想の中身と、それによって暮らしがどう変わるかがいまだに見えにくいことだ。

 都構想は2015年5月の最初の住民投票で、5特別区への再編案が否決された。17年6月には府と市の法定協議会が再び設置され、4特別区に減らす案を軸に検討されている。

 有権者に是非を問う以上は都構想のメリット、デメリットを明らかにし、判断材料を示さねばならない。奇策ではなく、丁寧な政策論議が欠かせない。

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