社説

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 衆院憲法審査会で先日、今国会初の実質審議が行われた。与党側の失言問題などで空転が長く続き、衆院審査会での実質審議は約1年半ぶりである。

 与党が提案している国民投票法改正案は、駅や商業施設などへの「共通投票所」設置を可能にするなど、公選法の規定に合わせた見直しだ。

 ただ安倍政権には改憲の動きにつなげたい思惑がある。今回は投票運動のテレビCM規制をテーマとすることで野党側に譲歩し、民放連の幹部を参考人に招いて意見を聴いた。

 民放連は「表現の自由」を侵害する懸念があるとして規制に反対する立場を表明した。法規制に否定的な自民、公明両党に近い考え方といえる。

 しかしそれでは資金量の差が投票行動に影響を及ぼす事態が予想される。「規制の在り方を考えるべき」とする立憲民主党など野党側の主張も当然だ。

 フランスや英国の国民投票では、公的なCM枠が均等に配分される。一方、それ以外のCMは全面的に禁止される。海外の例も参考に、時間をかけて議論を尽くすべきである。

 現行の国民投票法には、賛否を訴える広告の規制も運動費用の上限もない。テレビCMは投票14日前から禁止されるが、それまでは自由に放送できる。

 規制を最小限度にとどめたのは、国民の活発な議論を促すためだ。民放連の永原伸専務理事は、CM量の不均衡を抑制する放送業界の自主規制についても「国民の表現の自由を制約すべきではない」として、「行わない」と明言した。

 ただ、法の不備を指摘する声は少なくない。永原氏は「フェイク(虚偽)があってはならない」とも述べ、内容を精査する考えも示した。さらにインターネットの広告費がテレビCMに迫る状況を踏まえ、「広告全般の議論でなければおかしい」と訴えた。

 ネット広告のルールづくりは避けて通れない論点である。対象を広げて検討する必要があるだろう。国民民主党は、政党によるCM禁止を柱とする独自の改正案を衆院に提出した。

 与野党は、幅広い観点で一致点を見いだす努力を重ねてもらいたい。

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