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 世界保健機関(WHO)が、「ゲーム障害」を依存症の一つに正式認定した。

 インターネットゲームをやめられず、学業や仕事が手につかなくなる。そうした症例をアルコールやギャンブル依存と同じように、治療が必要な病気とみなしたことになる。

 日本では中高生の7人に1人が病的なネット依存とされる。昨年の兵庫県の調査では小中高生の9・4%で疑いがあった。患者の多くは未成年の男性とされるが、正確な実態はつかめていない。診断基準も不明確だ。

 認定を契機に、治療法確立に向けた研究や依存症に苦しむ本人と家族へのケア拡充を進めてもらいたい。

 WHOは、ゲームへの衝動が抑えられず生活に著しい障害をもたらすなどの症状が1年以上続くのを、障害の定義とした。

 深刻な症例はすでに各国で報告されている。しかし依存症としての認識が広まっておらず、治療や規制の枠組みは十分とはいえなかった。

 ソフト販売やプレー中の課金などゲームは巨額の収益を生みだすだけに、WHOの認定には欧米などの関連業界から反発もあったという。

 ゲームはアルコールやギャンブルと異なり、心身が未発達の子どものうちから接する可能性が高い。脳の発達に悪影響を及ぼすとの研究結果もある。いったんスマートフォンやゲーム機で動画やゲームの刺激にのめりこめば、衝動を自制するのは難しいだろう。

 依存症を防ぐには、まず当人や保護者が自覚して利用する必要がある。加えて製品やサービスを供給する側も、リスクを見据えた対応が欠かせない。

 すでに多くのゲーム機やスマホアプリには使用時間の規制機能が備わっている。ゲーム事業を主力とするソニーの吉田憲一郎社長は「(WHOの認定を)重く受け止めて対策をしないといけない」と追加規制の可能性に言及した。国内の4業界団体も合同でゲーム障害に関する有識者研究会を設けた。

 度を越せば、ゲームは楽しみにとどまらず、人生を台無しにする。青少年の依存症をひとりでも減らすための手だてを、社会全体で考えねばならない。

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