社説

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 小学校5、6年生はクラス担任が全教科を教えるのではなく、中学校のような「教科担任制」にしてはどうか-。

 こうした議論が中教審で始まる。小学校から高校までの教育の在り方を総合的に検討するよう、文部科学大臣が十数年ぶりに諮問した。中教審は来年末をめどに答申する。

 音楽や理科など一部の教科では、既に多くの小学校が教科担任制を導入している。文科省はこれをさらに広げる方針だ。

 狙いは二つ。指導力の充実と「働き方改革」である。

 小学校では2020年度から「主体的・対話的で深い学び」を掲げた新学習指導要領が全面実施される。英語が正式教科となり、プログラミング教育も始まる。

 専門性の高い先生が創意工夫して教えることで、子どもの学びにプラスの効果が期待できそうだ。小学生の発達は昔より早まっており、教科担任制は合理的と評価する専門家もいる。

 しかし、働き方改革との両立は果たして可能だろうか。

 小学校教員の3割は「過労死ライン」とされる月80時間を超える残業に追われている。教える内容が増える中、子ども一人一人と向き合う授業をするには教員数の増加も不可欠だ。中教審は長時間労働を是正する具体的な道筋を示してほしい。

 兵庫県は12年度に教科担任制を導入した先進県でもある。国語、算数、理科、社会の中から2教科以上を担任が交換する。例えば5年1組の担任が2組の算数も、2組の担任は1組の国語も教えるといった具合だ。18年度は469校が実施した。

 複数の先生が関わることで指導が充実する、担任は空き時間に授業準備ができるなどの利点があるとされる。少人数授業を同時に行うため教員を追加配置しており、現場から「加配なしにはとても回らない」との声が上がっている。

 文科省は先行事例の効果を検証する方針という。県教育委員会は兵庫型の成果と課題を積極的に発信してほしい。

 少子化時代を迎え、小中一貫校の拡大なども議題に挙がりそうだ。現場の意見に耳を傾け、地域の特性や事情に配慮した議論を中教審に求めたい。

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