社説

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 通常国会は26日の会期末まで3週間を残すのみとなった。閣僚の更迭や経済情勢、外交問題など議論すべき課題は山積しているというのに、長らく予算委員会が開かれていない。

 予算委は、予算案にとどまらず国政全般について内閣の見解や政策をただす場だ。衆参それぞれの規定で、委員長は委員の3分の1以上が要求すれば委員会を開かなければならない。

 野党は規定にのっとり、安倍晋三首相が出席する予算委の集中審議を再三求めているが、与党が応じる気配はない。委員の過半数を占める与党による事実上の審議拒否である。

 衆院予算委は予算案を可決した3月1日以後、3カ月余り開かれず、参院予算委は3月27日が最後だった。昨年の通常国会では予算案可決から5月末までに集中審議を衆参計7回実施しており、今国会の対応は異例と言っていい。

 参院選を前に政権のマイナスになりそうな論戦を避け、野党に追及の見せ場を与えまいとする思惑が透ける。

 選挙が近づく今、安倍政権の政治姿勢や政策を巡って各党が見解を明らかにし、有権者に判断材料を示す論戦の場は重要だ。それを拒むのは、与党が日ごろ「職務放棄」と批判する野党の欠席戦術と同じではないか。

 論戦テーマには事欠かない。

 「復興より同僚議員」や「私が忖度(そんたく)した」などの資質に欠ける失言で閣僚らが相次いで辞任に追い込まれた。首相は自らの任命責任をどう考えるのか。

 日米首脳会談でトランプ大統領が言及した貿易交渉の「8月合意」の事実関係や、拉致問題解決に向けた北朝鮮対応など外交姿勢を巡る説明も足りない。

 消費税増税を10月に控え、経済情勢をどう分析しているのか。アベノミクスの功罪を検証する議論も欠かせない。

 政権幹部から衆参同日選を巡る発言が相次ぐ。首相自ら「風は誰もコントロールできない」と解散ムードを刺激するような場面もあった。衆院解散をちらつかせ、議論を封じようとするのは国会軽視にほかならない。

 国権の最高機関として政府を監視する責務が国会にはある。与党は予算委開催に応じ、言論の府の役割を果たすべきだ。

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