社説

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 東京五輪の国内在住者向け観戦チケットの抽選申し込みが締め切られた。組織委員会によると、申し込みに必要な「ID登録」の件数は約750万件、販売サイトへの累計アクセス数は約2425万件を数え、自国開催のスポーツの祭典に対する関心の高さがうかがえる。

 一方で盛り上がりに水を差しかねないのが、ネット上などでの不正転売だ。買い占めや価格高騰を許せば、公平な観戦の機会が奪われ、世界レベルの競技を楽しむ趣旨が損なわれる。

 スポーツや音楽チケットを巡る不正転売は横行している。東京五輪を見越して、先の臨時国会で定価を超えるなどの不正な転売に懲役や罰金を科す入場券不正転売禁止法が成立した。

 組織委も対策に力を入れているが、不正の手口は巧妙化し制度の思わぬ穴を突くことも予想される。厳しく目を光らせる必要がある。

 チケットの申し込み初日には、夕方までで販売サイトへのアクセス数が130万件を突破し、待ち時間も数時間に及んだ。組織委はサーバー容量を増やすなどして対応したが、最終日もアクセスが集中したため受付期間を半日延長した。観戦希望者の多さを改めて示した。

 チケット総数780万枚のうち、抽選となった枚数は明らかにされていない。一部の競技では関係者が売れ行きに不安を示す一方、開会式や陸上、柔道など高額設定の競技は高倍率が予想され、当選チケットが奪い合いになる恐れもある。

 気をつけたいのは、非公式ルートで購入したチケットは無効になる点だ。メルカリ、ヤフー、楽天といった大手サイトも、不正転売禁止法の成立を受けてチケットの出品を禁止した。名義は変更できるが、定価を超える売買は認められていない。

 今月20日には抽選結果が発表されるが、秋以降に追加販売が見込まれるほか、観戦できなくなった当選者のチケットを買い取って定価で再販売する公式サイトもできる。

 不正チケットの売買には、反社会的勢力の関与も取り沙汰される。正々堂々と戦う選手たちに倣って、観戦希望者も公正な手段でチケットを手に入れるよう心掛けたい。

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