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 兵庫県内の上場企業の業績に停滞感が表れている。

 県内に本社・本店を置く79社が先月までに発表した2019年3月期連結決算によると、最終的なもうけを示す純損益が減益や赤字だった企業は全体の57%に上り、前期から20ポイントも増えた。

 売上高が増えた企業は76%を占めたにもかかわらず、収益力を示す経常損益が減益や赤字になった割合は51%と16ポイント増えた。稼ぐ力に陰りが見える。

 要因は大きく二つある。

 一つは、世界第2位の経済大国である中国の景気減速だ。海外展開する製造業を直撃した。もう一つは、原油などの原材料費、人件費、物流費の上昇だ。産油国の協調減産や、米トランプ政権によるイラン産原油の禁輸措置が背景にある。国内の人手不足もコストを押し上げた。

 全国の3月期決算上場企業の純利益総額は3年ぶりに縮小に転じた。景気が後退局面に入った可能性があり、米中貿易摩擦の長期化も懸念材料だ。日本経済は正念場に立っている。

 気がかりは、全国の上場地方銀行78社のうち69%が純損益で減益か赤字に陥った点だ。県内でも関西みらいフィナンシャルグループ傘下で非上場のみなと銀行が有価証券の損失処理などで利益を大きく減らした。

 超低金利政策で、国債の運用益には頼れなくなった。地域経済を支えるために、経営の効率化はもとより、持続可能な事業モデルの構築が欠かせない。

 先行きの見方は分かれている。県内上場企業の20年3月期予想は、純損益の増益や黒字転換が58%となった。米中の対立は予断を許さず、展開次第で予想をさらに下方修正する企業も増えるだろう。

 一方で、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を活用するためのIT化投資に対応し、関連製品の生産増強に踏み切るケースが出ている。

 中国の生産拠点を別のアジア諸国に移し、リスクを回避しようとする動きもみられる。変化をチャンスと捉えた積極的な企業活動を歓迎したい。

 10月の消費税増税は国内経済の下振れリスクとなる。政府は大きな影響が出ていないか景気動向を注視する必要がある。

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