社説

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 2020年東京五輪の聖火リレーのルート概要が発表された。全国47都道府県の857市区町村を巡り、伝統文化や豊かな自然など日本ならではの魅力を世界に発信する。来年3月のスタートが待ち遠しい。

 今大会の理念として掲げた「復興五輪」を体現するため、東日本大震災をはじめ相次ぐ災害の被災地を丹念にたどるのが最大の特徴となっている。

 聖火は東京電力福島第1原発事故の対応拠点となった福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」をスタートし、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」など津波被害に見舞われた東北3県の沿岸部を通過する。熊本地震で破損し修復中の熊本城や、西日本豪雨の被災地なども走る。

 復興の現状をありのままに伝え、国内外の人々が改めて被災地に思いを寄せる機会としなければならない。

 兵庫県内は2日間で計14市を巡る。1995年の阪神・淡路大震災から20年の節目に設置された神戸市中央区の「BE KOBE」のモニュメント前ではイベントも予定される。

 四半世紀を経ても震災を伝え続ける決意を示し、記憶の風化に悩む他の被災地に勇気を与えるメッセージを届けたい。

 観光スポットも多数組み込まれた。世界遺産は、姫路城(姫路市)をはじめ、富士山(静岡県、山梨県)を望むルートなど大半が入った。ほかにも京都府宮津市の天橋立や鳥取市の鳥取砂丘、山口県岩国市の錦帯橋など名だたる景勝地が並ぶ。

 各都道府県が会員制交流サイト(SNS)での拡散を期待し、「インスタ映え」が狙えるロケーションを重視した結果だろう。若い世代の五輪離れが指摘される中、聖火リレーでもインターネットの活用など若者の関心を呼ぶ工夫は欠かせない。

 ランナーは全国で約1万人を想定し、近く公募が始まる。都道府県の一つとスポンサー4社に各1回応募できる。多くの希望者が予想されるが、公明正大な選考に努めてもらいたい。

 国内では半世紀ぶりの聖火リレーだ。兵庫からも多くの声援で盛り上げたい。テロや事故への警戒はもちろん、沿道警備や暑さ対策など地域事情に応じた準備を進める必要がある。

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