社説

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 大阪府吹田市の交番で、巡査が刃物で刺され、実弾5発が入った拳銃が強奪された。発生から丸1日たったきのう朝、府警は強盗殺人未遂容疑で、33歳の男を逮捕した。

 交番で警察官が襲われ、拳銃を持ち去られた事態を警察は重く受け止め、経緯を徹底検証しなければならない。

 巡査は包丁で左胸などを複数回刺されており、府警は強い殺意を持って同容疑者が襲ったとみて調べている。逮捕時に所持していた拳銃の実弾は4発で1発発射された形跡があるが、人的被害は確認されていない。

 交番勤務の警察官らが拳銃を奪われる事件が頻発している。警察庁によると、2013年以降は全国で8件発生し、うち5件で発砲された。昨年6月には富山市の交番で元自衛官の男が警察官を刺殺して拳銃を奪い、近くにいた警備員を射殺する事件があった。

 一連の事件を受け、警察庁は対策を急ぎ進めていた。吹田署では5月末から、奪われにくい材質を使った新型の拳銃入れに切り替えていた最中で、巡査はまだ旧型のままだった。

 警察庁はほかにも、複数警察官の勤務や侵入を防止するカウンターの配置など交番の安全強化策を指示していた。

 今回の事件は、こうした対策の裏をかかれたような形だ。当時、交番には警察官3人が勤務していたが、空き巣被害の110番で2人が出動した。1人になった巡査が交番から出たところを襲われた。空き巣被害は虚偽通報で、府警は計画的な犯行とみている。

 地域の安全を守る交番のあり方を再検討する必要がある。

 地域住民は不安な一日を過ごした。公共施設は閉鎖され、イベントは中止となり、スーパーも臨時休業した。市は防災無線で施錠の確認と外出の自粛を呼び掛け続けた。拳銃が凶悪犯に渡れば、どれほど深刻な影響を及ぼすか。警察組織全体の戒めとすべきだ。

 20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を控え厳戒中の大阪で起きた事件は警察組織に動揺を広げ、市民の不安を高める結果となった。過去の事件を教訓に、拳銃を奪われない対策をさらに強化する必要がある。

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