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 長野県で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で、海のプラスチックごみ対策に連携して取り組むことで各国が合意した。世界各地で汚染が深刻化しているプラごみ対策に特化した初めての国際的な枠組みとなる。

 問題解決に向けた重要な一歩ではあるが、合意内容は各国が自主的に進める削減策の報告や情報共有にとどまった。汚染源である使い捨てプラスチックの削減目標などは盛り込まれず、実効性を疑問視する声もある。

 議長国の日本は、28、29日に大阪で開くG20首脳会議(サミット)で「2050年に海へのプラごみ流出ゼロ」とする目標への合意も模索する。確実な削減につながる仕組みを提示し、引き続き議論をリードする役割を果たさねばならない。

 会合で浮き彫りになったのは日本国内の取り組みの遅れだ。

 世耕弘成経済産業相は、レジ袋有料化の義務付けを来年4月から実施する考えを表明した。

 だが、国連などによると昨年末段階で既に127カ国がプラスチック製レジ袋に法的な規制を導入し、うち83カ国は無料配布を禁じている。欧州連合(EU)とカナダは21年までに使い捨てプラスチックの多くを禁止する方針を示している。

 背景には、先進国のプラごみを受け入れてきた中国や東南アジアが輸入規制に転じたことがある。会合にはプラごみ汚染に悩むベトナムやタイなどの6カ国も加わった。

 レジ袋は国内のプラごみ全体の数%にすぎない。使い捨てプラスチックの大半を占める食品容器の規制強化にも踏み込み、本格的な議論を始めるべきだ。

 世界でプラスチック製品の需要は増え続けている。「使い捨て大国」の日本や米国が率先して使用の抑制に転じなければ抜本的な問題解決はありえない。国際社会の信頼を得るためにも国内対策の強化が不可欠だ。

 便利で安価なプラスチックに依存する社会を変えるには、消費者の意識改革も欠かせない。

 海の生物に蓄積される微細なプラごみが、人の健康や生態系にどう影響するのか。海洋汚染の実態解明にも各国と連携して取り組み、問題意識を高めていきたい。

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