社説

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 山形県沖を震源とする一昨日夜の地震は、新潟県村上市で最大震度6強を観測した。昨年9月の北海道の地震や3年前の熊本地震で記録した震度7に次ぐ、激しい揺れである。

 影響は東北、北陸地方など広範囲におよび、30人近い負傷者が出た。新潟、山形では液状化や斜面崩落が発生し、沿岸部で微弱な津波も確認された。

 今のところ犠牲者や安否不明者の情報はなく、家屋の損壊も比較的軽微なレベルにとどまっている。甚大な被害を免れた状況を知って胸をなで下ろす。

 ただ新潟、山形両県は雨天となり、大雨警報が出た地域もある。地震による地盤の緩みが土砂災害を招く恐れがあり、十分な注意が必要だ。

 今後1週間ほどは、震度6強程度の地震が起きる可能性があり、家屋倒壊にも引き続き警戒が求められる。住民の心身の負担を軽減する対策に、官民で全力を挙げねばならない。

 今回、大きな混乱が避けられた要因の一つに、住民などの迅速な避難行動が挙げられる。

 震源に近い新潟県の離島、粟島では地震発生直後、約130人が避難した。避難指示・勧告がないまま近所で声を掛け合って高台を目指したという。

 地震や津波などを想定した日ごろの避難訓練が自主的な行動につながった。足の弱い住民も手押し車を使って避難所に向かう余裕があったことは、他地域も参考とすべきだろう。

 海岸沿いのJR羽越線でも、立ち往生した列車から乗務員と乗客が消防団の誘導で高台に逃れた。東日本大震災を教訓に策定された「行動心得」を踏まえた乗務員の自主判断が、ここでも早期避難につながった。

 特徴的なのは、震度6強の揺れでも建物がさほど大きな被害を受けなかったことだ。

 最大震度6弱の大阪北部地震では建物21棟が全壊し、倒れた書籍などの下敷きになって死亡した人もいた。5年前の長野県北部地震でも、最大震度6弱で256棟が全半壊した。

 地震波の性質や地盤の違い、家屋の耐震補強の現状などを分析し、その知見を防災・減災に生かすことが重要だ。「災害列島」といわれる日本全体で、備えを確かなものにしたい。

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