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 中国の習近平国家主席が北朝鮮を訪れ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と2日間にわたって会談した。焦点の北朝鮮の非核化問題では、連携して取り組む姿勢を示した。

 習氏の訪朝は2013年の主席就任以来初めてである。「血の同盟」の建前とは異なり、核・ミサイル開発路線を突き進む北朝鮮との関係は決して良好ではなかったことを示している。

 ここに来て関係改善に転じたのは、米国との貿易協議や非核化交渉で両国とも苦戦を強いられているからだ。北朝鮮の後ろ盾に中国がいると誇示できれば、米国への無言の圧力となる。両首脳がそう考え、視線の先にトランプ米大統領を見据えているのは間違いない。

 だが打算が生んだ急ごしらえの友好ムードで交渉が有利に運ぶと考えているのなら、あまりに楽観的すぎる。北朝鮮は非核化を着実に実行し、中国は貿易協議の出口を見いだす努力を積み重ねる必要がある。

 習氏は会談で、非核化に向けた北朝鮮の努力を評価した。一方、金氏は、核実験や長距離弾道ミサイル発射の中止などの措置を取ったにもかかわらず、米国から前向きな回答がないと不満を表明したという。

 短距離弾道ミサイルを発射するなど、北朝鮮は最近になって核放棄に逆行するような動きも見せている。非核化への取り組みが不十分なのは明らかだ。

 習氏は米朝協議の継続を促した。2月の首脳会談の決裂以降、協議は膠着(こうちゃく)しており、北朝鮮も中国を通じて突破口を見いだしたいのだろう。

 しかし中国が北朝鮮の非核化を重要視しているのなら、まず習氏自身が非核化を強く働き掛けるべきではなかったか。仲介役にとどまり影響力を他国に見せつけるような姿勢は、「血の同盟」とは程遠い。

 大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は来週に迫った。焦点の貿易問題を巡って、米中首脳会談の開催も取り沙汰されている。

 北朝鮮の核問題と米中貿易摩擦は、国際社会全体に関わる重要テーマだ。中国は大国として、事態を収束に向かわせるため具体的な行動を取る責任があることを直視するべきだ。

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