社説

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 タイで軍人出身のプラユット氏が首相を続投することが決まり、正式に就任した。

 2014年のクーデター以降、軍事政権のトップとして暫定首相を務めていた。今回、民政移管のための下院総選挙を受けた首相指名選挙で選出された。

 ただ民政移管とは名ばかりで、軍が政治に影響力を及ぼす状況は変わらない。親軍政政党「国民国家の力党」主導の連立政権が近く発足する予定だ。

 プラユット氏は就任演説で、「国民の声を聴き、国を発展させる」と述べた。

 タイでは過去に何度も軍部によるクーデターが起きている。民意をきちんと反映する体制をつくり、政治の安定を図らねばならない。

 もともと3月の総選挙では、タクシン元首相派の「タイ貢献党」が第1党になるなど、反軍政派が全体で半数近くに迫っていた。民意は軍政からの脱却を求めているのは明らかだ。

 一方、国民国家の力党は第2党どまりで、2割余りしか議席を得られていなかった。中小政党との連立工作で、ようやく多数派形成にこぎ着けた。

 軍事政権は、憲法改正などなりふり構わぬやり方で自らに有利な仕組みを築いてきた。今月上旬の首相指名選挙には下院だけでなく、軍の影響下にある上院議員も参加しており、プラユット氏の続投は民意を反映した結果とはいいがたい。

 今後もこうした手法を続ければ、国民から見放されかねないことを覚悟すべきだ。

 タイでは約5年間に及んだ軍事政権について、「政治と経済を安定させた」として評価する声も上がっている。

 一方で、民政移管後の下院では、軍政派の勢力が反軍政派と僅差で、安定多数にはほど遠い結果に終わった。今後の政局次第では、政権運営に行き詰まる可能性も否定できない。

 タイの長期安定には、軍政を脱却し真の民政復帰が欠かせない。プラユット氏は反対派の声にも耳を傾けるべきだ。

 日本はタイと長い交流の歴史があり、多くの企業も進出している。タイ政治の行方が及ぼす影響は大きい。日本は、さまざまな側面から、民主化を支援していく必要がある。

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