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 世界の主要20カ国・地域の首脳が一堂に会するG20サミットがきょう、大阪で開幕する。日本は議長国として各国の意見をとりまとめ、首脳宣言の採択に導く責務を担う。議長を務める安倍晋三首相は「意見の違いよりも一致点、共通点を見いだしていきたい」と述べた。

 2008年の発足時、G20にはリーマン・ショックを克服するという共通の目標があった。だが10年を経た現在、直面するのは米国と中国の対立という深刻な内部亀裂だ。

 もう一度結束を固め、国際社会の安定と発展への道筋を描くため、首相のリーダーシップがこれまで以上に求められる。

 今回のサミットの最大の焦点は、自由貿易の推進と反保護主義を首脳宣言にどの程度盛りこめるかにある。

 昨年末にアルゼンチンで開かれた前回サミットは米国の猛反発を受け入れ、「反保護主義と闘う」との文言が初めて首脳宣言から消える異例の展開となった。地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の完全履行で合意する一方、米国が協定から離脱する決意も併記した。

 トランプ米大統領の自国第一主義は改まらず、世界には閉塞(へいそく)感が広がる。それを打破する気概がG20に乏しければ、存在価値は失われるばかりだ。

 中国の知的財産権侵害や輸出産業への補助金の不公正さを指摘し、温暖化対策の枠組みに米国を引き戻すなど、各国が連携して大国の暴走にきちんとくぎを刺す必要がある。

 安倍首相は来阪したトランプ米大統領や中国の習近平国家主席らと会談する。サミット最終日の29日にはトランプ・習会談も予定されており、首相は両首脳に対立の収束を強く働きかけねばならない。

 12年の再登板以来、首相は「地球儀を俯瞰(ふかん)する」外交を政策の柱の一つに据えてきた。各国首脳と信頼関係を築けることが長期政権の利点と自画自賛し、トランプ氏とはすでに11回も首脳会談を重ねている。

 だが人脈づくりに終わるだけでは意味がない。重要なのは、国際社会が抱える難題の解決に向け、協調行動に結びつけることだ。今回のサミットは安倍外交の真価を問う場ともなる。

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