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 大阪で開かれていた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が閉幕した。貿易摩擦で対立する米国のトランプ大統領と中国の習近平国家首席の会談も行われ、世界が大阪を注視した。

 米中首脳は貿易交渉の再開で一致し、米国による追加関税上乗せは見送りになった。

 サミットでは2050年までにプラスチックごみの海洋流出をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」や、自由なデータ流通に向けた交渉の枠組み「大阪トラック」創設などで合意した。

 具体的な議論はこれからだが、米中対立で閉塞(へいそく)感が強まっていた国際社会に、対話で問題解決の糸口を見いだす意義を改めて示したと言える。

 首脳宣言は、自由で公正な貿易、投資環境の重要性を明記した。保護主義を強める米国と、輸出産業への補助金などが問題視される中国の双方に自制を求める形となった。

 途上国のインフラ建設に関し、債務国の持続可能な返済を重視する新原則を承認したのも、巨額の資金を融資して港湾整備などを進める中国をけん制する意図がある。

 議長を務めた安倍晋三首相は「意見対立でなく共通点に光を当てた」と話した。

 G20参加国・地域は世界経済の8割を占める。中東情勢などの不安定要因が高まる中、一つでも多くの合意点を見い出せば国際社会の安定に結びつく。

 ただ、前回のサミットと同じく「反保護主義と闘う」の言葉は盛り込めなかった。米国が猛反発したためだ。

 地球温暖化対策では、米国が国際的枠組みであるパリ協定からの離脱を改めて表明し、他の19カ国・地域で協定推進を掲げるにとどまった。米国が自国第一主義に固執する「1対19」の構図は今回も変わらなかった。

 トランプ氏はサミット後の会見で、日米安全保障条約について「不公平」との考えを改めて示した。日本の基地提供や費用負担などをどれだけ理解しているのか大いに疑問だ。

 トランプ氏は首相にも伝えたと述べた。そうであれば、事実や過去の経緯を踏まえていない認識の誤りを、同盟国の立場できちんと正す必要がある。

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