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 安倍政権は昨夏、4年ぶりに改定したエネルギー基本計画で、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの「主力電源化」を打ち出した。だが、原発を重視する路線は変わらず、再エネ普及の妨げになっている。

 九州電力管内では、電力供給が需要を上回りそうになると原発を優先する国の給電ルールが何度も実施された。太陽光発電を停止させられた業者は大きなダメージを受けている。

 各国では再エネへの投資集中でコストが低下しているが、日本では技術開発の意欲が後退しかねない状況だ。福島原発事故後に進む世界の変化に対し、安倍政権の危機感は乏しい。

 再エネ重視への政策転換に本気で取り組まなければ、遅れを挽回できなくなる。

 国際社会では、再エネへのシフトが気候変動に歯止めをかけるとの認識が共有されている。

 二酸化炭素排出量が多い石炭火力に関しても、英国とカナダが廃止を決めるなど「脱石炭」の流れが鮮明だ。原発と同様に石炭事業から投融資を引き揚げる世界の動きが強まっている。

 ところが、政府は先月閣議決定した地球温暖化対策の長期戦略で、経済界の意向を反映して石炭火力の利用を堅持した。固執すれば、世界の潮流から取り残されることを認識すべきだ。

 残念ながら、参院選での論戦は低調と言わざるを得ない。

 自民、公明両党は、原発や石炭火力を温存する政策を続けながら再エネの主電源化をどう進めるのか。公明は原発再稼働を認める立場は自民と同じだが「新設は認めず、原発ゼロを目指す」とした。与党間の相違をどう説明するのか。多くの疑問に具体的に答える必要がある。

 一方、参院選前に分散型エネルギー利用促進法案を国会に共同提出した立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党は「原発ゼロ」「脱原発」を掲げ、地域主体の再エネ利用の仕組みづくりを訴える。ただ、国民民主だけは地元合意などを条件に再稼働を認める立場だ。「脱原発依存」を唱える日本維新の会は、再稼働に関係自治体の同意を法制化するなどと主張する。

 エネルギー政策は地域の将来デザインにも影響する。各党の公約をしっかり見極めたい。

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