社説

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 南海トラフ地震や首都直下地震など巨大災害の発生が高い確率で想定される。国民の命を守り、被害を減らし、復興への力を結集する。その体制づくりは国の最重要課題である。

 参院選ではインフラ整備などハード面の訴えが前面に出がちだが、選挙後の国会で議論が本格化する重要なテーマが、防災と復興を担う組織のあり方だ。

 東日本大震災で発足した復興庁は2020年度で廃止される。被災地はいまだ復興途上にあり、21年度以降も国の支援と後継組織が必要だとの認識は各党とも一致している。

 災害はさまざまな形で、時を選ばず列島各地を襲う。自治体レベルで対応できない問題も多い。場当たり的な組織では各地の経験と教訓が蓄積されず、いざというときに生かされない。

 復興を支援し、今後想定される災害への対応を一元的に担うには、防災省などの常設機関を置く必要がある。神戸新聞社も15年にそう提言した。

 平時は防災教育や減災対策に取り組み、人材育成や防災意識の向上に努める。そんな存在が国民の安心を高める。

 自民、公明両党は今夏、後継組織の具体像を示し、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。閣僚を置き、内閣府に移管する案などが検討されている。立憲民主党は独立した「防災庁」を、日本維新の会は西日本の大規模災害に対応する「大阪消防庁」の設置を掲げた。

 与野党の垣根を越えて具体案を持ち寄り、あるべき組織の議論を深めてもらいたい。

 住宅再建に最大300万円を支給する被災者生活再建支援制度の拡充も課題だ。阪神・淡路大震災を機に議員立法で創設された。支給額引き上げや要件緩和など改善を重ねてきたが、災害のたびに、家屋の壊れ具合や居住地の線引きによる支援の格差が被災者を苦しめている。

 全国知事会は昨年、支援金の支給対象拡大を提言したが、公約で具体的な制度拡充に触れたのは国民民主党、共産党、社民党など一部だった。

 制度の壁に苦しむ被災者を生まないための法整備をどうするか。党派を超えて答えを出さねばならない。

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