社説

  • 印刷

 吉本興業所属のお笑い芸人、宮迫博之さんと田村亮さんらが振り込め詐欺グループの宴会に出席し報酬を得ていた問題は、他の芸人らが吉本の姿勢を非難する異例の展開になっている。

 宮迫さんらと吉本側が別々に会見を開き、契約解消などを巡る生々しいやりとりに注目が集まる。だが、糾明すべきは反社会的勢力との関係だ。根絶は社会的責務であり、芸能界を挙げて対策を講じる必要がある。

 問題の背景には「闇営業」がある。事務所を通さず、芸人が知人などから直接請け負う仕事を指し、暴力団などにつけ込まれる土壌を生んでいる。

 宮迫さんらは相手が詐欺グループとは知らなかったと述べ、当初は金銭の授受も否定していた。結果的に犯罪集団から報酬を得ていた事実に弁明の余地はない。社会的責任を厳しく自覚せねばならない。

 一方、芸人と反社会的勢力の関係を把握していなかった吉本にも非はある。8年前にも、所属していた島田紳助さんが暴力団との交友関係を理由に引退に追い込まれた。その反省は生かされず、法令順守意識が浸透していないことを露呈した。

 吉本の岡本昭彦社長は会見で宮迫さんの契約解消を撤回したが、理由は明言しなかった。犯罪集団との関係を不問にしたと取られかねない。自身のパワハラ発言を「冗談」とした点も、立場の重みと責任をどこまで自覚しているのか疑念を抱く。

 芸能界で同様に強い影響力を持つジャニーズ事務所は、「SMAP」の元メンバー3人を出演させないようテレビ局などに圧力をかけた疑いで公正取引委員会から注意を受けた。

 「家族」「ファミリー」の美名で所属芸能人を囲い込む内向きの論理は両社に共通する。社会規範を逸脱しているだけでなく、豊かな才能を葬ることにもなりかねない。芸能界全体の体質刷新には、強い立場をかさにきた高圧的な姿勢を両社が自ら改めることが求められる。

 吉本はいまや「お笑い」の域を超え、自治体との連携事業にも取り組んでいる。トップは政府の懇談会にも名を連ねる。反社会的勢力の排除や企業統治の強化に、一般企業以上の努力を重ねなければならない。

社説の最新
もっと見る

天気(2月26日)

  • 14℃
  • ---℃
  • 20%

  • 10℃
  • ---℃
  • 60%

  • 14℃
  • ---℃
  • 10%

  • 12℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ