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 東京電力が福島第2原発の廃炉を正式に表明した。

 東日本大震災で未曽有の事故を起こし廃炉が決まった福島第1に比べ、第2は損傷が少なかった。廃炉にすれば東電は資産価値を失うが、県内原発の全廃炉を求める地元の意向などを受け、震災から8年を経てようやく踏み切った。

 東電は第1、第2で計10基の廃炉作業を抱えることになる。40年以上の長期間が見込まれる上、第1はいまだ建屋内にも入れない過酷な状況だ。

 原発事故の賠償も含めた費用は総額約22兆円で、うち約16兆円が東電の負担となる。資金や人材をどう確保するかなど、難題は山積する。

 しかし実現しなければ福島の復興は成し遂げられない。東電の総力を結集するとともに、政府や電力各社も全面支援して取り組む必要がある。

 東電は第2の廃炉に伴い、約1万体ある使用済み核燃料の貯蔵施設を敷地内に新設する。廃炉終了までに県外へ搬出するというのが東電の説明だ。

 だが使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場は完成していない。最終的な行き先が決まらなければ貯蔵の長期化は必至だ。危険な核燃料を抱え込んだ状態では復興の足かせになりかねない。

 東日本大震災以降に廃炉が決まった原発は、今回の福島第2も含め21基にのぼる。いずれも使用済み核燃料を保管している上、放射性廃棄物も大量に発生する。政府は核のごみの後始末について責任を持って対策を講じねばならない。

 政府は2030年度の原発の発電比率を約20%に引き上げる目標を掲げる。稼働する原発を現在の8基から大きく増やさないと達成できない水準だ。柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働や東通原発(青森県)の工事再開を東電が模索するのも、この目標を見据えてのことだろう。

 安全対策や廃棄物処理を横に置き、新増設ありきで突っ走った過去の経緯を反省すべきだ。高度成長期に建てられた原発が相次いで耐用年数を迎える現実を踏まえ、廃炉作業を安全に、迅速に進めるための研究開発や人材育成に政策の軸足を置き直す必要がある。

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