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 日本や中国など8カ国・地域が北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合で、サンマ漁獲枠の導入に初めて合意した。

 日本のサンマ漁は、北太平洋から日本の近海に南下する秋が中心だ。ところが、近年、サンマが日本に近づく前に公海で先取りする中国や台湾の漁船の動きが活発化している。日本は不漁の一因とみて、「乱獲」を防ぐための規制を求めてきた。

 深刻な不漁が続く日本の3年連続の提案に、昨年まで拒否していた中国などが歩み寄った。

 これまでなかった上限の設定は、資源回復への重要な一歩といえる。今回の合意を足掛かりに、まだ多く残る課題の解決を進めていかねばならない。

 日本の漁獲量は、2012年まで20万トン超で推移していたが、15年以降は半分程度に落ち込んでいる。一方、台湾の漁獲量は日本を上回り、近年急拡大した中国も肉薄する。背景には、日本食ブームでサンマが各国で人気になっていることがある。こうした状況に対する日本政府の対応が後手に回ったことは否定できない。

 今回の合意は、日本が主張を後退させたことでようやく得られたが、規制の緩さは否めない。8カ国・地域全体の20年の漁獲量上限は55万6250トンで、18年の実績約44万トンを大きく上回る。肝心の公海での国・地域別の配分には踏み込まず、20年の年次会合に先送りした。

 8カ国・地域は、公海での漁獲量を毎週報告し、互いに確認できる閲覧サイトに掲載することも合意した。日本は、各国と資源の情報を共有しながら、実効性の高い漁獲規制につなげていかねばならない。

 サンマ漁業者や加工業者の厳しい状況を受け、日本政府は苦肉の策として、8~12月に限定していた大型船の操業期間を今年から撤廃した。各地の大型船が5月から操業を始めたが、秋サンマに比べて小ぶりで採算的に厳しいという。

 サンマの不漁は、地球温暖化による海水温の変化なども要因と指摘される。北太平洋の17年の資源量は1980年以降で最低となった。気候変動と資源の関係にも目を向けながら、日本人が親しんできたサンマを守る方策を考える必要がある。

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