社説

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 10月の消費税率10%への引き上げまであと2カ月と迫った。

 軽減税率やポイント還元が導入され、小売店や飲食店などでは過去2回の税率引き上げ時よりも複雑な対応が必要になる。しかし実施を目前にしながら、多くの店で準備はまだ万全と言えないのが実態だ。

 その責任は政府にある。7月の参院選が終わるまで、増税対策の周知活動を控えていたからだ。消費税が選挙戦で争点化されないよう、政権に忖度(そんたく)したのではと疑念を抱く。

 政府は今月からインターネットの特設サイトを設け、各地で説明会などを計画しているが、出遅れは明白だ。混乱や不平等を招かないよう、十分な対策を講じねばならない。

 対応の遅れはポイント還元で顕著になっている。来年7月まで9カ月間、消費者がクレジットカードなどを使い中小店舗で支払えば、最大5%を政府がポイントで還元する内容だ。

 登録店舗でないと還元は受けられないが、数百万ある中小店舗のうち登録申請は約20万にとどまる。客離れを防ぐため自腹でポイント還元する大手小売店もあり、未登録の中小は一層不利になる。

 ポイント還元は昨年11月、安倍晋三首相自ら打ち出した。増税による消費不振を防ぐ対策に、中小企業保護やキャッシュレス普及も詰め込んだ。二兎(にと)も三兎も追った結果、施策を煮詰め切れなかったのではないか。

 軽減税率では、外食メニューを持ち帰って食べれば税率を8%に据え置く。だが複数の外食チェーンは販売時の混乱を避けるため、店内飲食も持ち帰りも税込み価格を同じにする。これでは何のための軽減税率か、消費者は疑問に思うだろう。

 参院選終了を見計らったかのように、後期高齢者の医療費など介護や医療の自己負担増の議論が相次いで始まる。社会保障の財源に充てるとして消費税が上がるのに、自己負担も増えることに国民の納得を得るのは容易ではない。

 首相は参院選直前、さらなる消費税率引き上げは「10年は必要がない」との見解を示した。社会保障費の増大が明らかな中で財源をどう確保するのか。その根拠をきちんと示すべきだ。

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